...そんな殺伐なことがまだ戦国時代の血腥(ちなまぐさ)い風の脱け切らぬ江戸ッ子の嗜好(しこう)に投じて...
淡島寒月 「梵雲庵漫録」
...殺伐な野蛮人の血が多量に流れていよう...
大杉栄 「続獄中記」
...色街に似合わぬ殺伐な雰囲気にも驚いた...
高見順 「いやな感じ」
...そんな殺伐なポオズをとりたがるものさ...
太宰治 「乞食学生」
...心理的にも気象的にも殺伐な潮どきを見計らって...
谷譲次 「踊る地平線」
...当時外国人が来て国内も追々殺伐な風が起り...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...なにか殺伐な事件がなかでおこりつつあるに相違ないと直感したのだ...
西尾正 「放浪作家の冒険」
...而も十分に殺伐な映画を見たことが明かになった...
浜尾四郎 「夢の殺人」
...この連中の度外れに殺伐なわけもこれでわかったが...
久生十蘭 「新西遊記」
...殺伐な時節がやつて来た...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...私が最後に見た殺伐な夫婦喧嘩は...
柳田国男 「故郷七十年」
...この殺伐な傾向は間もなく脅迫...
夢野久作 「東京人の堕落時代」
...一夜に殺伐な辻と変ってしまう...
吉川英治 「私本太平記」
...きのうの船中で見たあの殺伐な眼の持ち主にしろ...
吉川英治 「私本太平記」
...わけて殺伐な戦場ほどなお...
吉川英治 「新書太閤記」
...殺伐な裏には優雅に渇(かわ)いている...
吉川英治 「新書太閤記」
...また、個人間のあいだにも、殺伐な風や、詐謀(さぼう)や、油断も隙(すき)もならない道義の頽廃があった時代では、その各も、何よりは武技を身に備えておくことが、役だつに違いない...
吉川英治 「随筆 宮本武蔵」
...手槍を持って二人もこの殺伐な群れの中に交じっている...
吉川英治 「宮本武蔵」
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