...一昨年から段々に發表した長短論文を集めて...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...いつでも決断を段々に積み貯へて行くと云ふ風なのです...
グスタアフ・ヰイド Gustav Wied 森林太郎訳 「尼」
...段々に大きく、向うでも私の姿を認めたのでしょう、笑いながら手を振っています...
橘外男 「墓が呼んでいる」
...彼は段々に白けた気持になって来て...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「頸の上のアンナ」
...何段かの段々になっていることが分った...
知里真志保 「あの世の入口」
...発展とは元来、次第にとか、順序に従ってとか、段々にとか、いう漸次概念の一つである...
戸坂潤 「科学方法論」
...此墨本は其後段々に其數を増加して...
内藤湖南 「日本の肖像畫と鎌倉時代」
...すすけた厨子の中に、真黒な裸像で立っている仏が、その前には、段々に供物が、花が、それから、その上に、白木の位牌が――それには、お由羅の筆蹟らしく島津修理大夫源斉彬と、書かれてあった...
直木三十五 「南国太平記」
...毎朝見る鏡に、眼ばかり大きくなってゆくのがわかるのだが、こう段々に、夜が苦しいものになって来ては堪(たま)らないし、眼のさめた瞬間の心さびしさも、朝々ごとに、たまらないものに思った...
長谷川時雨 「遠藤(岩野)清子」
...あたしたちも段々に悟(さと)った...
長谷川時雨 「木魚の顔」
...私は……死んでも……死んで死にきれません……」彼女は段々に胸が迫つて来た...
平出修 「逆徒」
...段々に甲高(かんだか)に競上(せりあ)げて行って...
二葉亭四迷 「平凡」
...石の段々に差しかゝる...
牧野信一 「三田に来て」
...段々にこじれて行くばかりであった...
宮嶋資夫 「恨なき殺人」
...段々に押されて来る...
三好十郎 「冒した者」
...二つの群は貨物を段々に高く積み飾り...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...丘陵の傾斜面の一部が段々になった側にある...
柳田国男 「故郷七十年」
...「おれは寧(むし)ろ藤島に同情している」千久馬はなお続けていた、「――第さんが帰って来て、眼と鼻のさきにいるとすれば、彼の立場は苦しい、それも非常に苦しいだろうと思う、それはおれにはよくわかるんだ、しかしどうしたって蒔(ま)いた種は苅(か)らなければなるまい、彼はそれだけの事をしたんだから、……人間は弱いものだ、罪を犯した者が、その罪を隠蔽(いんぺい)するために重ねて罪を犯す、……初めに犯した罪をつぐなう勇気のない者は、必ず次ぎ次ぎと、段々に重く、大きな罪を重ねてゆく、そこに弱い人間の悲しさがあるんだ」第二は歩きながら低い声で独り言を呟いた...
山本周五郎 「はたし状」
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