...一八六五年から六六年と段々にひどくなるばかりで...
愛知敬一 「ファラデーの伝」
...今度の制度の訓練が段々に上手になつて来ましたら...
有島武郎 「私有農場から共産農団へ」
...彼も段々に成長しつつある...
江戸川乱歩 「黄金仮面」
...そして寄木にして段々に積み上げながら拵えたものだ...
高村光太郎 「回想録」
...段々に大きく、向うでも私の姿を認めたのでしょう、笑いながら手を振っています...
橘外男 「墓が呼んでいる」
...三川沿ひから分れた路は段々になつた切株だらけの乾田に沿つて...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...周圍(しうゐ)に添(そ)ふて之を段々に螺旋状に積(つ)み上げ...
坪井正五郎 「コロボックル風俗考」
...それだのにあとから/\此處を目指して町の方から坂を下りて來る人の群は段々に増すばかりである...
寺田寅彦 「伊香保」
...そして小野氏が段々に盛になつた時に山を越えて山城の北部まで領分を擴げて來て...
内藤湖南 「近畿地方に於ける神社」
...富豪の人身攻撃から段々に強面(こわもて)の名前を売り出し懐中(ふところ)の暖くなった汐時(しおどき)を見計(みはから)って妙に紳士らしく上品に構えれば...
永井荷風 「日和下駄」
...それから水先頭と段々に仕上げ...
久生十蘭 「重吉漂流紀聞」
...段々に甲高(かんだか)に競上(せりあ)げて行って...
二葉亭四迷 「平凡」
...とかくこんなことして草花帖が段々に画き塞(ふさ)がれて行くのがうれしい...
正岡子規 「病牀六尺」
...やっと気がついて別の方へ行って有楽町まで行って、用をすまして伊東屋であなたからの手紙を整理するためのスクラップを買って雨の降る人ごみの中を歩いていたら、ずーっと思いつめていたいろいろの考えの波の間から、段々にわかるよ、わかるんだよ、と笑って云っていらした貴方のいかにも確信のゆるがない顔や声や眼と、自分が赤くのぼせて貴方から視線を引きはがすことが出来ない気持、もっともっと云いたいことで喉がつまったような気分でふくれて立っていた様子とが対比的に浮んで来て、独特のユーモアを感じ、思わず胸の中を一抹の微笑が流れた...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...飛行機が着陸しようとするとき段々に下降して来てつと地表に滑走輪をふれるが...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...いつの間にか段々に自分の田の方へ利用する程度を多くして行つたようで...
三好十郎 「肌の匂い」
...段々に探して行く手がゝりは有ると思ふ...
柳田國男 「信濃桜の話」
...勾配の急な山を段々に刻んで山頂までも畑にするのである...
和辻哲郎 「鎖国」
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