...ほんのりと殘りさうで...
泉鏡花 「遺稿」
...昨夜の雨に打たれた殘りの花びらが...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...谷崎は殺人方法を思案して、帝大に働いてゐた醫者の友達に、醫者の立場からみて、痕跡の殘らぬ、從つて自殺か他殺かはつきり斷定は下し得ない方法を取調べて貰つたが、(僕らがそのときに傳聞した四つばかりの方法といふもののなかの一つは、意外にも僕らの手近かの物で用が足りた...
小穴隆一 「二つの繪」
...翌朝、甥よりさきに目覺めて、往いて見れば、こぼては、そのまゝにて、肴は殘り居らず...
大町桂月 「猫征伐」
...當年日本武尊、相模より上總にわたり、この地にて蠻賊と戰ひたまひしとの事、正史には見えねど、口碑には殘れり...
大町桂月 「房州紀行」
...お前さんを手離すのは殘念ですわ...
スティーヴンスン 佐藤緑葉訳 「帽子箱の話」
...却(かへ)つて迷惑(めいわく)で殘念(ざんねん)で有(あ)つた...
アントン・チエホフ Anton Chekhov 瀬沼夏葉訳 「六號室」
...からだが弱くて殘念に思ふ...
太宰治 「思ひ出」
...一坪の青草原さへ殘つてなかつた...
太宰治 「諸君の位置」
...その枯枝に烏のとまつたのは俳人の詠に殘された位である...
戸川秋骨 「道學先生の旅」
...分つたか」「親分さん、心殘りは、――この娘、お筆のことで御座います」「心配するな...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...其處にはもう何んの手掛りも殘つては居ません...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...――綺麗な子をさらつて人買ひに賣るといつた」人買ひといふ世にも殘酷な惡人が...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...まだ四つ五つは殘つて居るに違げえねえ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...あの殘忍(ざんにん)なラグウ料理の後に...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...古典として尊重せらるべき作品を後世に殘す人が幾人あるかを想ふ度に...
水上瀧太郎 「貝殼追放」
...タグリ飴といふ名は今も東北に殘つて居て...
柳田國男 「食料名彙」
...「うらやましいな、あんたの仕事は」「なぜ」「だつて、文章は殘るだろ...
吉川英治 「折々の記」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??