...此世の中には最早何の欲望をも殘さゞりしならん...
ハンス・クリスチアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 森鴎外訳 「即興詩人」
...跡に殘つた子供達に呼び立てられて...
伊藤左千夫 「水害雜録」
...唯ひとり敗殘の體(からだ)の上を吹過ぎる東の風が當來(たうらい)に向つて...
レミ・ドゥ・グルモン Remy de Gourmont 上田敏訳 「さしあげた腕」
...□夫人は芥川が書殘してゐるやうな復讐といふ意味でさういつたのではなく...
小穴隆一 「二つの繪」
...人民の懷に殘る金は一文もない...
田中正造 「土地兼併の罪惡」
...一體こんなことで掛金がはずれるとでも思ってるのか知らん? このまま別れるのは殘念だなあ! 空しく歸すなんて殘念じゃないか?』そして實際のところ...
ドストエーフスキイ 神西清訳 「永遠の夫」
...これは多分宋の末頃までは滿足な本が殘つてゐたらしいが...
内藤湖南 「支那目録學」
...殘つて居る武士氣質を刺戟したのです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...卑屈な薄笑ひが薄い唇の上に殘つて居ります...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...名香の餘薫(よくん)を殘して...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...殘る一本の徳利は主人の永左衞門が取上げたのです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...大變な不義理を殘したのを...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...かすかに細卷きのうすけむりがかすめた薫りが殘つてゐるやうな...
長谷川時雨 「春」
...恐らく其の過去の殘骸...
濱田耕作 「埃及雜記」
...その美しい特有の名前の破片の中に入れて多くの香の殘りを持ち歸らうか? それともまた...
堀辰雄 「「鎭魂曲」」
...早くどうか快くなりたい!姙(みごも)つても姙(みごも)つても辛い苦しい思の形見ばかり殘つて...
水野仙子 「四十餘日」
...」いつたんしめた障子を殘らずあけ放す氣配と共に...
水上滝太郎 「大阪の宿」
...あたりの人の好奇心に輝く視線を殘らず身に浴びながら...
水上滝太郎 「大阪の宿」
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