...仲間が殖(ふ)えれば殖えるほど本当の人間に依って滅亡されてしまう...
魯迅 井上紅梅訳 「狂人日記」
...一向効目(きゝめ)が無くて狂人(きちがひ)は殖えるばかりなので...
薄田泣菫 「茶話」
...其上に厭や/\乍ら其釣錢を投げ込むと急に光るものゝ數が殖える...
高濱虚子 「俳諧師」
...子供が殖えると山崎の家に居られませぬから...
竹越與三郎 「日本の眞の姿」
...しみったれた事を言うようであるが、生活費はどんどんあがるし、子供は殖えるし、それに収入がまるで無いんだから、心細いこと限りない...
太宰治 「十五年間」
...明日から頭数が一人殖えるんだ...
徳田秋声 「新世帯」
...更に更に殖えるもよかろう...
豊島与志雄 「画舫」
...凝結核はとたんに二万個程度に殖える...
中谷宇吉郎 「黒い月の世界」
...それが見る間に殖える...
夏目漱石 「幻影の盾」
...彼女を繞(めぐ)る若き人々――殊に男性はただひたすらに殖える一方でした...
浜尾四郎 「彼が殺したか」
...一つでも殖える可能のある社会条件を自分たちの一生のうちにつくってゆこうとする協力...
宮本百合子 「明日をつくる力」
...減ることがあっても永劫殖えることはないですからな...
宮本百合子 「伊太利亜の古陶」
...尊兄の理解者が一人でも殖えるのは尊兄の侮辱とまで極端に考えてもよいのだ...
室生犀星 「聖三稜玻璃」
...数が殖えることにも大いに意味はあるのである...
柳宗悦 「民藝四十年」
...時勢が進めば次男三男の分家の殖えるのは当然のことで...
柳田国男 「家の話」
...野次馬は益々殖えるばかり……楽屋の入口は見る間に人足と巡査と見物の群で...
夢野久作 「暗黒公使」
...なお殖えるような勢いにある)と聞くと...
吉川英治 「親鸞」
...郷民は殖える一方であったが...
吉川英治 「平の将門」
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