...「そりゃ人手が殖えることは難有(ありがた)いにも違いないがね...
芥川龍之介 「玄鶴山房」
...歯車は数の殖えるのにつれ...
芥川竜之介 「歯車」
...厄介な存在がまた一人殖える――いまやそれが確定的だったのだ...
犬田卯 「米」
...速力が殖えるなんて...
海野十三 「戦時旅行鞄」
...その人々に酒を飲まして思わぬ借金が殖える...
丘浅次郎 「改善は頭から」
...つい自宅(うち)の患者までが殖えるやうだ...
薄田泣菫 「茶話」
...しみったれた事を言うようであるが、生活費はどんどんあがるし、子供は殖えるし、それに収入がまるで無いんだから、心細いこと限りない...
太宰治 「十五年間」
...いよいよ財産は殖えるばかりで...
太宰治 「新釈諸国噺」
...そりゃ口髭と顎鬚ぐらいは殖えるかも知れん...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「決闘」
...夫婦は財産の殖えるのを楽んだ...
徳田秋声 「あらくれ」
...停車場ごとに殖える一方だつた...
野上豐一郎 「大戰脱出記」
...自分は植物の知識が殖えるにつけ...
牧野富太郎 「牧野富太郎自叙伝」
...一人ずつ児童頭割の教育予算がどの位殖えるか見よう...
宮本百合子 「五ヵ年計画とソヴェト同盟の文化的飛躍」
...尊兄の理解者が一人でも殖えるのは尊兄の侮辱とまで極端に考えてもよいのだ...
室生犀星 「聖ぷりずみすとに与う」
...門人も殖えるばかりだし...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...郷民は殖える一方であったが...
吉川英治 「平の将門」
...傷者は殖えるばかりだし...
吉川英治 「日本名婦伝」
...お養母(っか)さんの留守の間なので、私の部屋の押入れに、幾日も匿(かく)しておいて上げたが、江戸の周りは、このごろの物騒で、木戸は殖えるし、各藩の警備隊が屯(たむろ)しているので、尋常な手段(てだて)では脱け出せないというんです...
吉川英治 「松のや露八」
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