...歯車は数の殖えるのにつれ...
芥川竜之介 「歯車」
...仲間が殖(ふ)えれば殖えるほど本当の人間に依って滅亡されてしまう...
魯迅 井上紅梅訳 「狂人日記」
...一向効目(きゝめ)が無くて狂人(きちがひ)は殖えるばかりなので...
薄田泣菫 「茶話」
...こんな見物がだん/\殖えるやうでは...
薄田泣菫 「茶話」
...書物が殖えるに従って...
辰野隆 「愛書癖」
...さきざき収入が殖える当ても少いことだし...
谷崎潤一郎 「細雪」
...本家は子供が殖える一方で暮しが懸るものだから...
谷崎潤一郎 「細雪」
...夫婦は財産の殖えるのを楽んだ...
徳田秋声 「あらくれ」
...月に二割の利子は確実に殖える...
豊島与志雄 「程よい人」
...自分の凧が殖えるので喜んだ...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...出産率が殖えると死亡率も増すという統計上の議論を...
夏目漱石 「道草」
...だんだんそれが数多くなり量が殖える...
葉山嘉樹 「山谿に生くる人々」
...今日のやうに人口が繁殖して来る際に墓地の如き不生産的地所が殖えるといふのは厄介極まる話だ...
正岡子規 「墓」
...外(そと)には次第に殖える一揆の群集が怒濤のように寄せては返しているのに...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...酒や肴は殖えるばかりであった...
山本周五郎 「花も刀も」
...進藤も石が一つ殖える度毎(ごと)に嬉しそうに眼を細くしてニコニコして見せるので...
夢野久作 「近世快人伝」
...乗客は刻一刻に殖えるばかり...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集拾遺」
...お養母(っか)さんの留守の間なので、私の部屋の押入れに、幾日も匿(かく)しておいて上げたが、江戸の周りは、このごろの物騒で、木戸は殖えるし、各藩の警備隊が屯(たむろ)しているので、尋常な手段(てだて)では脱け出せないというんです...
吉川英治 「松のや露八」
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