...いや現在に於て自分たちを支配してゐるところの聯隊内のしきたり――部下に対する残虐なる制裁に対して...
新井紀一 「怒れる高村軍曹」
...……そう推察すると葉子は自分のあまりといえばあまりに残虐な心に胸の中がちくちくと刺されるようになった...
有島武郎 「或る女」
...渡瀬は何んとなしに残虐なことをしてみたい心になっていた...
有島武郎 「星座」
...愈々残虐な殺人にとりかかる...
江戸川乱歩 「孤島の鬼」
...また原爆の極度に残虐な経験による恐怖と...
峠三吉 「原爆詩集」
...錯誤(さくご)から来た残虐などについて各自の見聴きしたことを話し合つてゐた...
徳田秋聲 「フアイヤ・ガン」
...残虐な場合にもいろいろ立ち合ったがあの時だけは...
豊島与志雄 「失われた半身」
...きわめて残虐なものだったので...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...残虐な生犠(いけにえ)を神仏に供し...
直木三十五 「南国太平記」
...あの残虐な夫を憎む術(すべ)さえ知らなかったお前も...
野村胡堂 「死の舞踏」
...枕を並べて残虐なテロリズムの犠牲になっている...
久生十蘭 「淪落の皇女の覚書」
...――漆黒の羽毛は残虐な光の逆手にかき窩られて...
逸見猶吉 「逸見猶吉詩集」
...この殺害(他殺であることは一目で明らかであった)の残虐なこと...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「マリー・ロジェエの怪事件」
...斯うあくどく残虐な手に攻められると...
牧野信一 「鏡地獄」
...国民はなるほど最も野蛮残虐な行為に陥ってしまった...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...加へて深刻なる音楽の重圧と残虐なる感情の蠧惑とを弥が上に圧し出してくれる事...
室生犀星 「愛の詩集」
...まるで今までとは別人のように残虐な...
夢野久作 「白菊」
...彼女の澄み渡った瞳(ひとみ)の底から再び浮び始めた残虐な微笑は...
横光利一 「日輪」
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