...残虐な欲望さへない訣(わけ)ではなかつた...
芥川龍之介 「或阿呆の一生」
...……そう推察すると葉子は自分のあまりといえばあまりに残虐な心に胸の中がちくちくと刺されるようになった...
有島武郎 「或る女」
...もっと残虐なやり方で殺害されたのだ...
江戸川乱歩 「悪魔の紋章」
...それは残虐な化けもののように見えた...
江戸川乱歩 「影男」
...残虐なる軍神アレスの...
高木敏雄 「比較神話学」
...すなわち現在の裁判や民衆は寄ってもって私を死に値する残虐なりとする...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...残虐な微笑がスーッと走ります...
野村胡堂 「判官三郎の正体」
...苦しい! 何と残虐な痛さだ!)私は彼女達それぞれに八〇万フランずつ持たしてやっていたんだ...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...枕を並べて残虐なテロリズムの犠牲になっている...
久生十蘭 「淪落の皇女の覚書」
...――漆黒の羽毛は残虐な光の逆手にかき窩られて...
逸見猶吉 「逸見猶吉詩集」
...この殺害(他殺であることは一目で明らかであった)の残虐なこと...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「マリー・ロジェエの怪事件」
...乱暴者や残虐な男ですら...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「四日闇夜」
...おし静まった独房のはての島々の礎石を噛み残虐な奴隷労働の...
槇村浩 「獄内にてドイツの同志を思う歌」
...国民はなるほど最も野蛮残虐な行為に陥ってしまった...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...が、先刻(さっき)の、不可思議な様子を考えてみると、恐ろしい事に、この可愛いい少女は、この惨(むごた)らしい血の滲んだ傷に、残虐な魅力を、舐めたい衝動を、感じたのかも知れない...
蘭郁二郎 「夢鬼」
...それは全く不明であるけれども、この陰惨な、そして執拗な少年と、残虐な空気に、亢奮を見せる少女との間には、到底月並な終結は、望み得ないように思われる...
蘭郁二郎 「夢鬼」
...その破壊・焼打・掠奪・捕虜殺戮などの残虐なやり方を...
和辻哲郎 「鎖国」
...あらゆる残虐な殺し方を工夫することによって...
和辻哲郎 「鎖国」
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