...相手を殊更に意識する必要はないよ...
...この案件には殊更な注意が必要です...
...自分から殊更にアピールするのは得策ではないかもしれない...
...彼女は殊更に世間に気にされることなく生きている...
...失敗を避けるためにも、必要以上に殊更に気を遣いすぎず、自分らしい行動を心がけてください...
...殊更らしく光つた...
石川啄木 「鳥影」
...軍治に鋭く言ひ自分も殊更顔を外向(そむ)けた...
田畑修一郎 「鳥羽家の子供」
...そうして破(わ)れないもう一つをさげて来るのも何だか殊更で...
寺田寅彦 「ある日の経験」
...川止めなども旧藩時代の如く殊更らなことをせぬから何の滞りもなかったのである...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...ベコニヤなんぞ呼ぶものよりも雪の下蛍草なぞのささやかなる花こそ夏には殊更好ましけれ...
永井荷風 「一夕」
...殊更(ことさら)に濃くしたる黒色(こくしょく)を用ゆる事を好む...
永井荷風 「江戸芸術論」
...殊更(ことさら)に俳優をして観客の群集中に出没せしむるが如きは西洋近代の文学論を以てしては殆(ほと)んど解釈すべからざるものたるべし...
永井荷風 「江戸芸術論」
...此頃(このごろ)になつては長吉は殊更(ことさら)に日(ひ)一日(にち)とお糸(いと)が遥(はる)か年上の姉であるやうな心持(こゝろもち)がしてならぬのであつた...
永井荷風 「すみだ川」
...殊更(ことさら)に大学の艇庫(ていこ)の真白(まっしろ)なペンキ塗の板目(はめ)に反映していたが...
永井荷風 「すみだ川」
...床下の殊更に奥深き片隅に炭俵屑籠などに包みたるものあまたあり...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...上汐のために殊更(ことさら)水面の高くなった橋の下を潜行(くぐりゆ)く舟の中から見上る時...
永井荷風 「散柳窓夕栄」
...その間(ま)もあらず一同を載せた屋根船は殊更に流れの強い河口の潮(うしお)に送られて...
永井荷風 「散柳窓夕栄」
...女は殊更(ことさら)肉を隠しがちであった...
夏目漱石 「こころ」
...殊更に自分の胸を強く打つものがあつた...
南部修太郎 「日曜日から日曜日まで」
...お抱えの歴史家は殊更に卑劣な曲筆を弄し...
久生十蘭 「フランス伯N・B」
...発狂しないために殊更快活に振舞っていると...
久生十蘭 「淪落の皇女の覚書」
...殊更に気丈さを装ふらしき此男の囚人姿を目送した...
平出修 「逆徒」
...立法者にして殊更に文章の荘重典雅を衒(てら)わんがために...
穂積陳重 「法窓夜話」
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