...だからその日などは殊に落着いてゐるだらうと思つて...
芥川龍之介 「あの頃の自分の事」
...殊に虚無の遺伝がある東洋人の私には容易かも知れぬ...
芥川龍之介 「点心」
...殊に廉一を怒らせたのは...
芥川龍之介 「庭」
...殊に往来の人々の罪などと云うものを知らないように軽快に歩いているのは不快だった...
芥川竜之介 「歯車」
...殊に若い娘はよく猛獣と親しみ...
石川三四郎 「農民自治の理論と実際」
...殊に六歌仙の絵を覚えていたのは...
江戸川乱歩 「心理試験」
...殊にレイクランヅのあたりは甚だしい窮乏を訴へた...
オウ・ヘンリ 三宅幾三郎訳 「水車のある教會」
...作法や言葉は、殊に女の場合、身につくかつかないかということに微妙な問題がある...
豊島与志雄 「風俗時評」
...小(こ)ぶとりの身體の殊に張出した胸の形がそのまゝはつきり思ひやられます...
永井荷風 「畦道」
...殊にさう感じられる...
野上豐一郎 「「漱石のオセロ」はしがき」
...殊に当夜道子とひそかに話をした等(など)という事は全く新聞の書いた偽りであると申して居りました...
浜尾四郎 「彼が殺したか」
...時の政府と意見を殊にして...
福沢諭吉 「学問の独立」
...殊によく働いたから三十円やった...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...崇拜して居る間は誠に歌といふものは優美にて古今集は殊に其粹を拔きたる者とのみ存候ひしも三年の戀一朝にさめて見ればあんな意氣地の無い女に今迄ばかされて居つた事かとくやしくも腹立たしく相成候...
正岡子規 「歌よみに與ふる書」
...殊に中七音の中(うち)に簡単なる形容詞を用うることに長じたり...
正岡子規 「俳人蕪村」
...殊にその場所を海岸にして...
正岡子規 「病牀六尺」
...観音救世の績殊に著しいから...
南方熊楠 「十二支考」
...二人は其挙措に於て大に趣を殊にしてゐた...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??