...殊にやっと柵(さく)の上へ制服の胸をのしかけたまま...
芥川龍之介 「大導寺信輔の半生」
...殊に現在の保吉は実際この幸福な中尉の顔へクラフト・エビングの全語彙(ごい)を叩きつけてやりたい誘惑さえ感じた...
芥川龍之介 「文章」
...そしてその後のお鳥は、都合によれば、どうなつてもいいと思はないこともない、かう金の融通に困つてる時は、殊に...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...しかしまた同じ理由からしてこの映画はすべての男性にとって別な意味で特殊な興味のあるものに相違ないのである...
寺田寅彦 「映画雑感(2[#「2」はローマ数字、1-13-22])」
...私は野村君が殊に福永書店を択んで「みみずのたはこと」を譲った事を喜ぶ...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...」平助の頭に殊に深く刻みつけられてるのは...
豊島与志雄 「土地」
...それはお若いに御殊勝のことでございますな...
中里介山 「大菩薩峠」
...勿論故人は旗色が殊の外惡いのである...
長塚節 「記憶のまゝ」
...一般(ぱん)にさうではあるが殊(こと)に勘次(かんじ)の手(て)に作(つく)られた蔬菜(そさい)は凡(すべ)て其(そ)の成熟(せいじゆく)が後(おく)れた...
長塚節 「土」
...殊に、人里離れたところや、大海の中に隕ちたものは、誰の眼にもつかずに終ってしまう...
久生十蘭 「平賀源内捕物帳」
...殊に哀愁の感を禁じ得なかった...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...殊に印度と云ふ國は昔は開けた國でありまして...
松本文三郎 「印度の聖人」
...ゲーテにおける変態の思想は特殊なるテュポロギーを基礎とするのであるから...
三木清 「ゲーテに於ける自然と歴史」
...是が自分たちには殊に重要な手がかりの一つであった...
柳田国男 「海上の道」
...殊(こと)に月のある夕方などに...
柳田國男 「野草雑記・野鳥雑記」
...殊に本屋へ行かなくなつた今の場合...
横光利一 「悲しみの代價」
...殊に大事な大望を抱く体...
吉川英治 「剣難女難」
...殊のほか短慮者ゆえ...
吉川英治 「宮本武蔵」
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