...殊に眼から鼻のあたりが...
芥川龍之介 「妖婆」
...寒中のは殊にすなほに挙るですが...
石井研堂 「元日の釣」
...殊更に形式的なもので...
伊藤左千夫 「茶の湯の手帳」
...只同情ある殊に予を解してくれたお繁さんに逢えたら...
伊藤左千夫 「浜菊」
...世を捨ててさへ昔を忘れぬ爾が殊勝さよ...
高山樗牛 「瀧口入道」
...その雷が印度――殊にカパディア氏の国のヴィルプール国の南東境を限るトラウデヤ山脈地方においては...
橘外男 「ナリン殿下への回想」
...特殊のものとしてはマコレイの『イギリス史』を読もうとしたが...
津田左右吉 「学究生活五十年」
...とにかく東洋画殊(こと)に南画というものの芸術的の要素の中にはこれと同じようなものがある事は疑いない...
寺田寅彦 「津田青楓君の画と南画の芸術的価値」
...殊に中谷には既に愛人(現夫人)もあり...
外村繁 「澪標」
...また特殊な河川がある...
豊島与志雄 「台湾の姿態」
...文七(ぶんしち)というものが元結こぐ車の響をば昼も蜩(ひぐらし)に聞きまじえてまた殊更の心地し...
永井荷風 「日和下駄」
...殊に米国東部の都市にては晴雨共に風甚しきが故...
永井荷風 「洋服論」
...殊にその南側の人口に我慢づよく頭に屋根を支えて立つ六人の娘の立像(カリュアティデス)によって有名である...
野上豊一郎 「パルテノン」
...私は「清水の如く特殊の味なし」の仕事を念願しているのだけれども...
林芙美子 「生活」
...殊に Mutterrecht なる語は...
穂積陳重 「法窓夜話」
...国史を繙(ひもと)く者は少なくとも鎌倉時代の末まで邦人殊に貴族間に同姓婚行われたと知る...
南方熊楠 「十二支考」
...泉先生の作品殊に「笈摺草紙(おひずるざうし)」が激稱してあつた...
水上瀧太郎 「貝殼追放」
...芸術的の表現の場合なぞは殊(こと)にそうで...
夢野久作 「鼻の表現」
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