「殊」の意味
特別な、ことなる
小説での「殊」の使い方
...殊(こと)に十字架を見守つてゐたマリアを眺めることは苦しかつた訣(わけ)である...
芥川龍之介 「続西方の人」
...殊(こと)に名だかいものです...
石原純 「關孝和」
...殊に論理学などは最もきらいであった...
井上哲次郎 「明治哲学界の回顧」
...殊に終日寝かされて何の変った楽しみもない真一真二の幼童が...
海野十三 「三人の双生児」
...殊にいくら姙娠だつて彼の照ちやんの我儘つたらありやしない...
高濱虚子 「續俳諧師」
...まだまだ私は駄目ですと殊勝らしく言って溜息をついてみせて...
太宰治 「風の便り」
...が実際の所、妻が云う通りに、往来から板塀で仕切られてる六七坪の庭が、何だか妙に窮屈だったし、それから殊に、隣りの家と棟続き壁一重越しに、全く同じ形に建てられてるのが、余りいい気持ではなかった...
豊島与志雄 「白日夢」
...それから殊には母に対しても...
豊島与志雄 「不肖の兄」
...人の絶望には特殊な性質があって...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...机の傍の本箱には棚を殊(こと)にして洋書と帙入(ちついり)の和本とが並べてある...
永井荷風 「つゆのあとさき」
...殊に胎児にまで世の謗(そし)りを受(うけ)しむるを慮(おもんばか)らずとは...
福田英子 「母となる」
...殊(こと)に芋蟲(いもむし)が非常(ひじよう)に不興(ふきよう)げに見(み)えたので...
レウィス、キァロル Lewis Carroll 丸山英觀訳 「愛ちやんの夢物語」
...馬殊に牝馬を親愛する事非常で...
南方熊楠 「十二支考」
...堕(お)ちた者どうしの特殊な支えあいで...
山本周五郎 「花も刀も」
...土着民に特殊な勢力をもつような者は...
山本周五郎 「山彦乙女」
...治下の秕政(ひせい)を正す献策(けんさく)の資(し)といたしたい」「それはご殊勝なこッてすな」と...
吉川英治 「新・水滸伝」
...特殊な伸張力を持った銅の...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
...キリスト教は「特殊な形」ではなくして絶対的宗教である...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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