...甘すぎるくらい人情におぼれやすい殉情的な性格は...
有島武郎 「或る女」
...殉情的なくせに恐ろしく勘定高いのがたまらなかった...
有島武郎 「或る女」
...孤独に親しみやすいくせにどこか殉情的で人なつっこい私の心は...
有島武郎 「生まれいずる悩み」
...その周圍を實着に――年若き女性の殉情的傾向なしにではなく――描寫した...
有島武郎 「水野仙子氏の作品について」
...その周圍を實着に――年若き女性の殉情的傾向なしにではなく――描寫した...
今井邦子 「水野仙子さんの思ひ出」
...こんな安価な殉情的な事柄に涕(なみだ)を流したのが少し恥かしかったのだ...
太宰治 「葉」
...しかるに検校が父祖代々の宗旨(しゅうし)を捨てて浄土宗に換(か)えたのは墓になっても春琴女の側(そば)を離れまいという殉情(じゅんじょう)から出たもので...
谷崎潤一郎 「春琴抄」
...女は――ことに窕子はさういふところに殉情的になる質であるだけ一層それが氣になつた...
田山花袋 「道綱の母」
...弱い殉情そのものが無残に虐(しいた)げられているのだと思われてならなかった...
徳田秋声 「仮装人物」
...いわば彼女の殉情と文学的情熱とは...
徳田秋声 「仮装人物」
...此の殉情的な国で...
中原中也 「宮沢賢治全集刊行に際して」
...本來優美な性情をもつた殉情詩人の生田春月が...
萩原朔太郎 「悲しき決鬪」
...ロマンチスムの文学にまで色濃く残つてゐた貴族崇拝、古武士気質の礼讃、殉情主義、超俗主義等の思想は、自然主義の暴風によつて影をひそめた...
平林初之輔 「文学方法論」
...高篤三は純粋殉情の浅草詩人で...
正岡容 「浅草燈籠」
...木村富子少史が「落花流水」と題した源之助芸談を近年一読して蟒お由の役のむづかしいのはお由が夫長次にはあくまで殉情の貞女として...
正岡容 「異版 浅草燈籠」
...私は佐藤春夫の『殉情詩集』に諷はれてゐる「若人のごとく」青春的なものをおぼえずにはゐられない...
正岡容 「大正東京錦絵」
...あの中にある弱い男の殉情的な気持などを観ると...
宮本百合子 「有島さんの死について」
...この注意は学問の共同態において青年たちが殉情(じゅんじょう)的な結合に奔(はし)ることを警(いまし)めたのである...
和辻哲郎 「孔子」
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