...而して殆んど涙にあふれんとする眼を擧げて牧師を見た...
有島武郎 「半日」
...殆(ほと)んど直立せる断崖絶壁を登ること一里八丁...
押川春浪補 「本州横断 痛快徒歩旅行」
...又學者としての立場より客觀的に觀るも殆んど常識を失したる狂暴の沙汰たり...
石川啄木 「無題」
...脚本を読んで見て私は殆んど手の出しやうのないのに驚いてしまつた...
伊藤野枝 「ウォーレン夫人とその娘」
...アレだけ綿密につけた日記に来客と共に愉快そうに談笑した記事が殆んど見えない...
内田魯庵 「八犬伝談余」
...そうしてまた殆ど手がつけられずにいる方面も少なくない...
津田左右吉 「日本に於ける支那学の使命」
...私ははじめ結婚のことを殆んど考えていませんでしたが...
豊島与志雄 「道標」
...殆んど着のみ着のままの自分自身と...
豊島与志雄 「バラック居住者への言葉」
...見物人がもう殆んど一杯になつて地稽古もだらけて來た頃道具を肩へかけた連中が木戸の方から六七人ゾロゾロと這入つて來たが「飛入劍士席」と張札のある棧敷へ一固りに腰を下した...
長塚節 「撃劍興行」
...九プードといえば殆んど四十貫にも当る重量である...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...殆どそれは彼の記憶になかつた...
牧野信一 「爪」
...良子となどは殆ど言葉を交したこともなかつた...
牧野信一 「毒気」
...多くの国の人口は危殆な状態にあることになる...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...(殆んど福々しいと言える位に柔和な笑顔)青年 どうも――百姓 ……(前歯の抜けてしまった大口をパクパク開けて笑いながら...
三好十郎 「おりき」
...それからそれに類する殆んどすべてのわが兄弟達も...
三好十郎 「俳優への手紙」
...精神の作用は殆全く廢して...
森鴎外 「舞姫」
...それは殆(ほと)んど冒涜(ぼうとく)的にまで元井エンジに似ていた...
山本周五郎 「青べか物語」
...彼女は、今では殆ど、この家族の頭になつてゐる長男の意志をば尊敬した...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
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