...殆(ほとんど)埋(うま)る位な蛙だから...
芥川龍之介 「蛙」
...俺は現在の俺をデテイルの細密なる闡明に驅る程興味ある個人を殆んど一人も發見しない...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...それも近頃では殆ど八方塞がりになつたので...
石川啄木 「病院の窓」
...その意味の内容に殆(ほとん)ど相違は無いように思われる...
伊藤左千夫 「歌の潤い」
...當時の長崎通詞が殆んど殘らず記録されてあるのに...
徳永直 「光をかかぐる人々」
...ソヴェート書籍の入手困難な現在では筆者には殆んど全く不明である...
戸坂潤 「現代日本の思想対立」
...等々其の他殆んど一切の文章...
戸坂潤 「思想としての文学」
...この点理論なるものと仮説なるものとの間には殆ど何等の区別がない...
戸坂潤 「辞典」
...普通選挙の今日殆んど一切の平均値的な政治意識の所有者の常識...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...参考書は勿論学校のノートまで殆んど全部焼いてしまった...
中谷宇吉郎 「寺田寅彦の追想」
...殆(ほと)んどお筆留めのような羽目に逢って来た男ですが...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...かやうな懐疑論を生ずる余地を殆んど奪つてしまつたと言つてよい...
平林初之輔 「文学方法論」
...殆んどゐなかつた――口を開けて待つ地下の墓所(はかしよ)...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...彼等は一生涯、云はばまあ、それを養つてゐるのですね、そしておしまひには、それとごつちやになる位、殆どそつくり、その名前に似てしまふものですよ...
ライネル・マリア・リルケ Rainer Maria Rilke 堀辰雄訳 「夢」
...音楽史らしいものは殆どないのだから...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...殆んど九割以上の者がきまった職を持たず...
山本周五郎 「季節のない街」
...僕は殆んど了解に……」ここまで私が立て続けに饒舌(しゃべ)り続けて来ると...
夢野久作 「暗黒公使」
...いい事なんか殆どなかったから――「森なんか...
蘭郁二郎 「夢鬼」
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