...親の死目に合わなかったからであろう...
泉鏡花 「縁結び」
...辛(から)く乗切って行(ゆ)く先は……実(まこと)の親の死目である...
泉鏡花 「婦系図」
...ヨブが今難病に悩み、子女悉(ことごと)く失せ、死目前に迫り、その跡地より絶たれんとするの悲境にある時、悪しき者の受くる運命はその如しと説くは、明かにヨブを「悪しき者」となしたのである...
内村鑑三 「ヨブ記講演」
...かれらは家畜の死目を見とどけ得ないだろう...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...「亮三郎も、えろう嘆いての、一人の親だのに、夫婦揃って遠くへ来てるばっけえに、親の死目にも、逢うことがでけんというて来ただが、わしが付いとるから、余計な心配(しんぺい)は、するに及ばんというてやったんじゃ」亮三郎というのは、九大医学部の助教授をしている弟です...
橘外男 「仁王門」
...旅費のないために私にとつて大恩のある母の死目に萬一逢はれぬとでもいふやうな事にでもなれば實に千載の憾みです(この千載の憾みの句は特にはつきり憶えてゐます)原稿料の來る迄十五圓御立換へ願ひ度い」と書いてあり...
土井八枝 「隨筆 藪柑子」
...死目になって張り詰めていた笹村の心にも...
徳田秋声 「黴」
...お父様の死目に――」と...
直木三十五 「南国太平記」
...彼は親の死目(しにめ)にさえ会わなかった...
夏目漱石 「道草」
...親の死目(しにめ)に逢(あ)わなくてもいいから...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...おとッさんの死目にも会わず...
長谷川伸 「瞼の母 二幕六場」
...……親の死目の、子供の時疫のと、いちいち事情を聞いていたんじゃ、おさまりがつきやしない...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...死目が近くなって...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...私は彼女の死目(しにめ)に會はなかつた...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...おくれてしまって親の死目(しにめ)に会えなかった...
柳田国男 「母の手毬歌」
...死目にあえるかどうかもわからねえという口ぶりだったし...
山本周五郎 「さぶ」
...勘三郎はもちろんその死目に会わなかった...
山本周五郎 「藪落し」
...恥ずかしい死目に会わされるより...
吉川英治 「源頼朝」
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