...この生物はかえって死物のように思いなされる...
有島武郎 「生まれいずる悩み」
...さうして空理は生命のない死物です...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...何等の能力もない死物もしくは虚無(といふ抽象物)に逆襲的壓迫力があるかの如く見なす思想が盛んになつたのは...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...この人形共は何だか死物(しぶつ)とは思えないのだった...
江戸川乱歩 「一寸法師」
...死物狂ひに英訳を読んだ...
直木三十五 「貧乏一期、二期、三期」
...ヘンデルの戦いは文字通り死物狂いだったのである...
野村胡堂 「楽聖物語」
...女の前髮がられて滅茶々々に毀(こは)されて居るところを見ると、曲者は後ろから女の前髮を押へて、右手に持つた簪(かんざし)を女の右の眼へ突つ立てたに相違ありませんが、そんな恰好になつて居て、死物狂ひの女が、自分の後ろに居る曲者の羽織の紐をり取れるものでせうか」「フーム」これは、仕方噺(ばなし)をするまでもなく、新三郎にもはつきり判りました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...親分」「相手も死物狂いだろう...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...死物狂ひでハネ返しはしませんか」八五郎も死骸には馴れてゐるので...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...形骸ばかりの死物である...
萩原朔太郎 「散文詩・詩的散文」
...彼女は死物狂でようやく此の男の手から逃れたが...
浜尾四郎 「殺人狂の話」
...警視庁が死物狂いで追求している有明荘六人の住人のうち...
久生十蘭 「魔都」
...これに比べてはまるで死人のように見えるだろう――ちょうど生きた言葉に比べては書物が死物に等しいと同じように! やがてロシアの国民運動が興るだろう……そして...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...ただ死物狂いに張上げるのです...
夢野久作 「梅津只圓翁伝」
...只圓の通りに遣るのにはそれこそ死物狂いの気合を入れてまだ遠く及ばない事がわかって...
夢野久作 「梅津只圓翁伝」
...それでもなお死物狂(しにものぐる)いの努力で踏みこたえつつ大切な鞄を抱え直さなければならなかった...
夢野久作 「木魂」
...大車輪で演出する死物狂いの冒険軽業が...
夢野久作 「超人鬚野博士」
...「我への大願」である修養の一課目として爲(す)るのでなければ學問は死物だ...
吉川英治 「折々の記」
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