...電車で逃げる今では、もう観念したのと、年を取って、逃げ出すのが億劫(おっくう)なもんだから、夕立ちになっても、死んだ気で、家(うち)にじいっとしているが、ここまで精神修行をするには、随分私も苦労したものであった...
橘外男 「雷嫌いの話」
...酔狂にそんな真似(まね)ができますか!半分死んだ気で頭を抱えてたのを...
橘外男 「雷嫌いの話」
...死んだ気で生きて行こうと決心しました...
夏目漱石 「こころ」
...「いっそ、死んだ気で、アルフオンゾ様に逢って見よう、切支丹宗門として磔柱にかけられるのは、斯うして夫のお帰りを待つよりは、まだしも楽だろう」と思い定めたのは、夫三十郎が家出をしてから十日目でした、決心が付くと、若い女ほど強いものはありません...
野村胡堂 「新奇談クラブ」
...死んだ気で働こうという伊勢屋も立派な男でございます...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...死んだ気で出すよ...
久生十蘭 「三界万霊塔」
...一つ死んだ気で逃げ廻ってみようか!」と...
久生十蘭 「ノンシャラン道中記」
...――自分は、身軽となって都へ上り、死んだ気で、数年はお主にも誰にも、姿は見せまいと、誓うようにいっておりました」「数年は姿を見せぬと」「ええ、何やら、大きなお望みもあってとか」高氏は、そう聞いて、いよいよ右馬介めが、この高氏の大望のため、その先頭を切ッたなと思った...
吉川英治 「私本太平記」
...七名が、腹を切ったら、お旗箱が出るかっ」「は」「どこだ、その七名を、糺明してある倉は」「波止場倉(はとばぐら)です」「むしろ、死んだ気で、探させるがいい...
吉川英治 「松のや露八」
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