...病気のためにも病床の慰みにも将(は)た又(また)死後の計(はかりごと)の足しにもならないこういう高価の大辞典を瀕死の間際(まぎわ)に買うというは世間に余り聞かない咄(はなし)で...
内田魯庵 「硯友社の勃興と道程」
...死の間際(まぎわ)に書き残したあの告白が...
江戸川乱歩 「悪魔の紋章」
...死の間際(まぎわ)を味った者にとって...
江戸川乱歩 「お勢登場」
...死の間際までも変装していたのであった...
橘外男 「グリュックスブルグ王室異聞」
...死の間際に相当苦しんだのであろう...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 大久保ゆう訳 「緋のエチュード」
...死の間際でも微笑んで見せた剣闘士に拍手を送ったように...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...死の間際に感じた苦しみのなかで...
久生十蘭 「雲の小径」
...博士は、死の間際まで、私たちに死を忘れさせる程、その存在を生き生きと感じさせ、最後まで働くことをやめられなかったからだ...
平林初之輔 「作家としての小酒井博士」
...死の間際かと見立てた...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「王冠の重み」
...あの怪物が死の間際にくり出したハサミ攻撃で軽い脳しんとうを起こしたものの...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「幽霊島」
...その上、死の間際、先代が私に手紙を書いて、全部解明済みです...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「煉獄」
...」「死の瞬間――死の間際だね...
室生犀星 「性に眼覚める頃」
...彼は蛾を掌の上に乘せながら妻の死の間際に云つた言葉や顏を思ひ出した...
横光利一 「蛾はどこにでもゐる」
...そして、死の間際には、恋人の名を呼ぼうと思っていた...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...しかし今、死の間際に、頼んであの時の秘密を見せて貰ったところで、何の役にも立ちはしないが、わしが捕われの原因となった物だけに、山牢へきた後も、自分の眼が誤っていたか正しかったか、始終気になっていたところ、人にはわからぬ隠密煩悩(ぼんのう)、死際(しにぎわ)の欲望に、ありありと、手にのせて見て死にたい...
吉川英治 「鳴門秘帖」
便利!手書き漢字入力検索