...そして前よりか一層賢くなつたやうな顔をして和蘭へ還つて往つた...
薄田泣菫 「茶話」
...ブリスターズ・ヒルからの馬車道によっても大して一層しのぎ良くはなかった...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...一層深く教理に悟入せんことを希望して止まざることを茲に表白するものなり...
イー、エー、ゴルドン 高楠順次郎訳 「弘法大師と景教との關係」
...福子や品子より一層親しいとも云へなくはない...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のをんな」
...その風格を伝えたものを一層愛好する訳だが...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...朝は大急ぎで、原稿を書きあげて、層雲社へ送つた、駅のポストまで行つた...
種田山頭火 「其中日記」
...或る實際に一層完全なる實有から出てこなければならないかを...
デカルト Renati Des-Cartes 三木清訳 「省察」
...実在そのものにとって必然な一定の秩序と段階づけ・階層づけとを持っているのである...
戸坂潤 「科学論」
...悪魔(あくま)の子は大層(たいそう)喜びました...
豊島与志雄 「天下一の馬」
...これは稀に湿度の小さい気層があっても...
中谷宇吉郎 「雪」
...野良犬が掃き溜めを漁るやう言つて貰ひたくねえ」「大層なことを言ふぜ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...仕事が上手(じやうず)で」「大層褒めるぢやないか...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...田中氏の芸術によつて一層はつきりと凝視することが出来たのである...
萩原朔太郎 「月に吠える」
...一層彼の人の胸をあおりたてるようだったけれど...
林芙美子 「放浪記(初出)」
...下層階級が使わない香水の匂いがしました...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「鉄面皮」
...その深さを一層濃いものにしてゐるやうだつた...
松永延造 「アリア人の孤独」
...大層(たいそう)悦(よろこ)んでること』愛(あい)ちやんは然(さ)う思(おも)つて猶(な)ほも言(い)ひ續(つゞ)けました...
レウィス、キァロル Lewis Carroll 丸山英觀訳 「愛ちやんの夢物語」
...それによって顔淵に対する孔子の愛情が一層強調せられて来たということはわかるのである...
和辻哲郎 「孔子」
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