...幾層の深さを以つて一度捨てた自然を熱愛した...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...山内は其狡さうな眼を一層狡さうに光らして...
石川啄木 「鳥影」
...一層不気味に静まり返って動きつづけていった...
大阪圭吉 「坑鬼」
...これと同時に「作用詞」や「方向詞」の基本的用法に就いての知識を一層確實に築き上げる上に役立つものである...
高田力 「ベーシック英語」
...一層可哀さが増して来た...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のをんな」
...黎々火君が層雲、緑平老が大泉を送つてくれた...
種田山頭火 「其中日記」
...浸蝕(しんしょく)のまだ若い古生層の山とでは山の形態のちがう上にそれを飾る植物社会に著しい相違が目立つようである...
寺田寅彦 「日本人の自然観」
...官吏群が一種の中間層であるとすれば...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...なる程社会層なるものは社会階級ではなかった...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...とくに新しい層がまぎらわしく...
中谷宇吉郎 「白い月の世界」
...鸚鵡の声も案のごとく聞えなくなったが下層にいるときは考だに及ばなかった寺の鐘...
夏目漱石 「カーライル博物館」
...「今日は大層遲い御歸りですな...
水上滝太郎 「大阪の宿」
...真の文学性の喪失と共に一層目立つ特色です...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...一層はげしく女としての愛の渇望をも自覚し...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...一層病人の挙動が疑わしくなり...
柳田国男 「山の人生」
...一層訝(いぶか)しそうに眉を顰(ひそ)めていった...
横光利一 「上海」
...骨を刺すやうなこの一層の寒さは彼等の夜の樂しみを増した...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
...その秘密を一層世間へ流布(るふ)するおそれのある人間の存在です...
吉川英治 「江戸三国志」
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