...年々歳々人知れずして香(こう)を砂漠の風に加え...
内村鑑三 「基督信徒のなぐさめ」
...さらにまた、最後のたのみの大綱は、ここから三里北方に弘前城が、いまもなほ天守閣をそつくり残して、年々歳々、陽春には桜花に包まれその健在を誇つてゐる事である...
太宰治 「津軽」
...來る歳々を氣樂に送つて行く婆さんは...
谷崎潤一郎 「二月堂の夕」
...万歳々々!途上点描(旅日記ところ/″\)五月六日――十九日――まるで地獄だつた...
種田山頭火 「其中日記」
...気候学者はこういう現象の起こった時日を歳々に記録している...
寺田寅彦 「春六題」
...年々歳々唯政黨の勢力次第に膨脹するを見るのみ...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...年々歳々(さいさい)感ずる痛(いたみ)には相違なかったのであります...
夏目漱石 「私の個人主義」
...年々歳々花相似...
原口統三 「二十歳のエチュード」
...年々歳々――うんぬん...
牧逸馬 「ヤトラカン・サミ博士の椅子」
...この鎧植騒ぎが起るやいなや桐渡ガラドウは即座に年々歳々の賽銭の高を計上して...
牧野信一 「バラルダ物語」
...ゆえに年々歳々(ねんねんさいさい)日本から断(た)えず輸入する必要があるので...
牧野富太郎 「植物知識」
...爾後(じご)予の嗜好は月々歳々に変じて...
正岡子規 「俳句の初歩」
...それが年々歳々徹底して...
三宅周太郎 「中村梅玉論」
...年々歳々政府と議会と感情的の喧嘩ばかりしていて国家の文明を進める仕事は滅多(めった)にした事がない...
村井弦斎 「食道楽」
...時々万歳々々の叫び声がつづく...
森本薫 「女の一生」
...江戸は年々歳々(ねんねんさいさい)の御触出(おふれだ)しあるがゆえに...
柳田国男 「母の手毬歌」
...かつての年、正成がみかどの召(めし)にこたえて、みずからここの館(たち)も焼きすてて千早(ちはや)の上にたてこもったときは、もうこの桜も枯死したかと惜しまれたが、年々歳々、春が来れば、花はこの老木からまえにもまして万朶(ばんだ)にたわわな精を咲かせた...
吉川英治 「私本太平記」
...年々歳々、ことばは同じ、年々歳々、意味同じからず...
吉川英治 「随筆 新平家」
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