...然るに俺の曇つた、歪んだ、小さい、さもしい生活は實に何と云ふざまだ...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...六朝(てう)文字のやうに肩を変な恰好に歪めて...
薄田泣菫 「茶話」
...骨つぽい顔を歪めて一くさり『酒屋』を語つた...
薄田泣菫 「茶話」
...段々と客観的な認識を歪曲させて行くということは性格の薄弱な者や...
戸坂潤 「読書法」
...この瞬間、彼女の顔にはなんというみじみな、なんという不自然な、なんという歪んだ微笑が浮かんでいたことか! けれど、まだその時は、自分が十五年たった後までも、みじめな、歪んだ、役にも立たぬ微笑を浮かべているこの瞬間のリーザを、依然として思い出そうなどとは、夢にも想像しなかったのである...
ドストエーフスキイ 米川正夫訳 「地下生活者の手記」
...刻みの深い頬は捻(ね)じ切れそうに歪んで...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...おれの歪んだ足つきだけは見ないでおくれ...
萩原朔太郎 「月に吠える」
...幼童思慕詩篇肖像あいつはいつも歪んだ顔をして...
萩原朔太郎 「月に吠える」
...その顔は約一倍半も膨脹し、醜く歪み、焦げた乱髪が女であるしるしを残している...
原民喜 「夏の花」
...が、塀は歪み、屋根は裂け、表玄関は散乱してゐた...
原民喜 「廃墟から」
...雷音は鬼のやうに顔を歪めて...
牧野信一 「淡雪」
...輝子は泣き笑ひに顔を歪めて...
牧野信一 「奇友往来」
...……嘘だと思うんなら」信吉の唇がふるえながら歪(ゆが)んだ...
山本周五郎 「嘘アつかねえ」
...醜いほども歪んだ表情は...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...ふと唇を歪(ゆが)めて妙な笑いかたをした...
山本周五郎 「柳橋物語」
...歪(ゆが)んだ嘲笑が...
山本周五郎 「やぶからし」
...柱(はしら)の歪(ゆが)んだ居間(ゐま)を二つ通(とほ)つて...
與謝野寛 「蓬生」
...ことばを歪曲(わいきょく)して...
吉川英治 「三国志」
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