...停車場に近づいた汽車はだんだんと歩度をゆるめていた...
有島武郎 「或る女」
...これ以上のことをしたら俺はたしかに堕落(だらく)をし始めたのだといわなければならない」淋しい道路に折れ曲るときゅうに歩度をゆるめた柿江は...
有島武郎 「星座」
...ある軍事学者は歩兵の歩度を一分間に七十五歩とすべきや七十六歩とすべきやを一大事として研究し「高地が大隊を防御するや...
石原莞爾 「戦争史大観」
...先に立つ幸太郎は、玉砂利のためと風のために歩きにくいらしく、歩度が遅い...
梅崎春生 「狂い凧」
...いままでより歩度をはやめて歩きだした...
リチャード・オースティン・フリーマン Richard Austin Freeman 妹尾韶夫訳 「予謀殺人」
...そのゆっくりした歩度に彼は足を合せました...
豊島与志雄 「白蛾」
...すると女は確に歩度を緩めるらしいんだ...
南部修太郎 「S中尉の話」
...歩度(ほど)の間尺(ましゃく)がきまっているもんだそうですが...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...熱いのを一杯、どうな?」そんな「当り矢」の言葉も聞きすてて、一層、歩度を伸ばした...
火野葦平 「花と龍」
...ゆっくりした歩度で...
火野葦平 「花と龍」
...だれか――」と自分の考えをまとめながら歩度をおとしてそう云った...
本庄陸男 「石狩川」
...馬の歩度は、下り坂にかかると、並足にゆるめられた...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「道化者」
...お次は完全な暇潰し、繧緻自慢、歩度は緩...
三好達治 「銀座街頭」
...去定は大股(おおまた)の歩度をゆるめながら...
山本周五郎 「赤ひげ診療譚」
...急に歩度を早めた菜葉服の男が躍りかかって...
夢野久作 「オンチ」
...何か考えているらしい緩やかな歩度(ほど)でコトリコトリと近付いて来るのであったが...
夢野久作 「怪夢」
...急速にアフリカ回航の歩度がのびようとしていた時だからである...
和辻哲郎 「鎖国」
...ヘンリ王子の精神を受けついだジョアン二世が勢込んで黄金海岸から先へ歩度をのばそうとしている時であった...
和辻哲郎 「鎖国」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??