...これ以上のことをしたら俺はたしかに堕落(だらく)をし始めたのだといわなければならない」淋しい道路に折れ曲るときゅうに歩度をゆるめた柿江は...
有島武郎 「星座」
...駈足(かけあし)にせよ歩度を伸べたる驅足にせよ...
ハンス・クリスチアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 森鴎外訳 「即興詩人」
...先に立つ幸太郎は、玉砂利のためと風のために歩きにくいらしく、歩度が遅い...
梅崎春生 「狂い凧」
...いままでより歩度をはやめて歩きだした...
リチャード・オースティン・フリーマン Richard Austin Freeman 妹尾韶夫訳 「予謀殺人」
...すると女は確に歩度を緩めるらしいんだ...
南部修太郎 「S中尉の話」
...四階では歩度をゆるめなければならなかった...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「審判」
...歩度(ほど)の間尺(ましゃく)がきまっているもんだそうですが...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...歩度を進めて行くことができなくなった...
久生十蘭 「地底獣国」
...熱いのを一杯、どうな?」そんな「当り矢」の言葉も聞きすてて、一層、歩度を伸ばした...
火野葦平 「花と龍」
...だれか――」と自分の考えをまとめながら歩度をおとしてそう云った...
本庄陸男 「石狩川」
...馬の歩度は、下り坂にかかると、並足にゆるめられた...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「道化者」
...――(ここで繰返される「北大寮歌」の歌い方と歌の調子で登高の段階と四人の疲れ方や歩度や山の様子を暗示するように変化をつけること)歌(第一歌詞)都ぞ弥生の雲紫に花の香漂う宴の莚尽きせぬ奢に濃き紅やその春暮れては移ろう色の夢こそ一時青き繁みにもえなんわが胸思いを乗せて星影さやかに光れる北を人の世の...
三好十郎 「樹氷」
...あとから裾さばきの軽い外套をハイヒールが運んでゆく、歩度は急、颯爽、即ち颯爽がゆくのである...
三好達治 「銀座街頭」
...お次は完全な暇潰し、繧緻自慢、歩度は緩...
三好達治 「銀座街頭」
...急に歩度を早めた菜葉服の男が躍りかかって...
夢野久作 「オンチ」
...お局外の長廊下を大書院へ近づくうちに次第次第に歩度が弛(ゆる)んで...
夢野久作 「名君忠之」
...アフリカ沿岸の探検は急速に歩度をのばしつつあった...
和辻哲郎 「鎖国」
...ヘンリ王子の精神を受けついだジョアン二世が勢込んで黄金海岸から先へ歩度をのばそうとしている時であった...
和辻哲郎 「鎖国」
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