...停車場に近づいた汽車はだんだんと歩度をゆるめていた...
有島武郎 「或る女」
...駈足(かけあし)にせよ歩度を伸べたる驅足にせよ...
ハンス・クリスチアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 森鴎外訳 「即興詩人」
...いそいで向き直って今までより歩度を速めて歩きだした...
妹尾韶夫 「凍るアラベスク」
...そのゆっくりした歩度に彼は足を合せました...
豊島与志雄 「白蛾」
...すると女は確に歩度を緩めるらしいんだ...
南部修太郎 「S中尉の話」
...四階では歩度をゆるめなければならなかった...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「審判」
...歩度(ほど)の間尺(ましゃく)がきまっているもんだそうですが...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...一と飛びに三間ずつも跳ねてくる恐竜の歩度には敵(かな)わなかった...
久生十蘭 「地底獣国」
...熱いのを一杯、どうな?」そんな「当り矢」の言葉も聞きすてて、一層、歩度を伸ばした...
火野葦平 「花と龍」
...ゆっくりした歩度で...
火野葦平 「花と龍」
...だれか――」と自分の考えをまとめながら歩度をおとしてそう云った...
本庄陸男 「石狩川」
...お次は完全な暇潰し、繧緻自慢、歩度は緩...
三好達治 「銀座街頭」
...歩度を緩めてこう云った...
森鴎外 「鶏」
...急に歩度を早めた菜葉服の男が躍りかかって...
夢野久作 「オンチ」
...こんな無責任なだらしのない事でどうする……と自分で自分の心を睨み付けながらそろそろと歩度を緩めた...
夢野久作 「暗黒公使」
...お局外の長廊下を大書院へ近づくうちに次第次第に歩度が弛(ゆる)んで...
夢野久作 「名君忠之」
...この遁走の歩度のなかで...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
...急速にアフリカ回航の歩度がのびようとしていた時だからである...
和辻哲郎 「鎖国」
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