...停車場に近づいた汽車はだんだんと歩度をゆるめていた...
有島武郎 「或る女」
...駈足(かけあし)にせよ歩度を伸べたる驅足にせよ...
ハンス・クリスチアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 森鴎外訳 「即興詩人」
...ある軍事学者は歩兵の歩度を一分間に七十五歩とすべきや七十六歩とすべきやを一大事として研究し「高地が大隊を防御するや...
石原莞爾 「戦争史大観」
...そのゆっくりした歩度に彼は足を合せました...
豊島与志雄 「白蛾」
...歩度を進めて行くことができなくなった...
久生十蘭 「地底獣国」
...熱いのを一杯、どうな?」そんな「当り矢」の言葉も聞きすてて、一層、歩度を伸ばした...
火野葦平 「花と龍」
...二人は急にその方へ歩度を早めた...
堀辰雄 「芥川龍之介論」
...――(ここで繰返される「北大寮歌」の歌い方と歌の調子で登高の段階と四人の疲れ方や歩度や山の様子を暗示するように変化をつけること)歌(第一歌詞)都ぞ弥生の雲紫に花の香漂う宴の莚尽きせぬ奢に濃き紅やその春暮れては移ろう色の夢こそ一時青き繁みにもえなんわが胸思いを乗せて星影さやかに光れる北を人の世の...
三好十郎 「樹氷」
...ユックリと普通の歩度で貴島は階段をあがつて行つた...
三好十郎 「肌の匂い」
...あとから裾さばきの軽い外套をハイヒールが運んでゆく、歩度は急、颯爽、即ち颯爽がゆくのである...
三好達治 「銀座街頭」
...歩度を緩めてこう云った...
森鴎外 「鶏」
...何か考えているらしい緩やかな歩度(ほど)でコトリコトリと近付いて来るのであったが...
夢野久作 「怪夢」
...こんな無責任なだらしのない事でどうする……と自分で自分の心を睨み付けながらそろそろと歩度を緩めた...
夢野久作 「暗黒公使」
...お局外の長廊下を大書院へ近づくうちに次第次第に歩度が弛(ゆる)んで...
夢野久作 「名君忠之」
...この遁走の歩度のなかで...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
...アフリカ沿岸の探検は急速に歩度をのばしつつあった...
和辻哲郎 「鎖国」
...急速にアフリカ回航の歩度がのびようとしていた時だからである...
和辻哲郎 「鎖国」
...私は息を切らして歩度を緩めた...
和辻哲郎 「創作の心理について」
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