...……」笠(かさ)さへ振向(ふりむ)けもしなければ、青牛(せいぎゅう)がまたうら枯草(がれくさ)を踏む音も立てないで、のそりと歩む...
泉鏡花 「雨ばけ」
...土平らにて歩むに易し...
泉鏡花 「活人形」
...前の谷をへだてて向こうの山の中途を汽車が大きな音をたてて蚯蚓(みみず)の歩むよりも遅く登っている...
板倉勝宣 「五色温泉スキー日記」
...何に躓くか分らない程暗くすばやく背景のとりかへられる大きな劇場の内部のごとく自分の胸は早鐘を撞き不思議な譯のわから無い歡喜に燃えて歩む...
千家元麿 「自分は見た」
...思ひ切つて濡れて歩むことまた一里半...
種田山頭火 「行乞記」
...日募近傍の田園を歩む...
永井荷風 「荷風戰後日歴 第一」
...已むことを得ず家を出で暗夜の町を歩む...
永井荷風 「荷風戰後日歴 第一」
...またもや並んで歩むともなく歩みを運ぶと...
永井荷風 「つゆのあとさき」
...ここにおいてか無事石橋を歩むものの知らざる処を知る...
永井荷風 「矢はずぐさ」
...何も云はないで俺の歩むが儘に任せてくれた...
平出修 「畜生道」
...まず直立して歩むよう教え...
南方熊楠 「十二支考」
...築地あり柿の木ありいつの日いづこにて見し路のくま……………………いまははや過ぎし日はかくも遠きか……………………われまた千里を旅ゆきてかの小徑をふたたびは歩むとも……………………いかにそはただわが愁ひをあたらしくするのみなるか私の問ひかけは...
三好達治 「霾」
...色さまざまなその間を歩む...
柳宗悦 「工藝の道」
...かくして二人はいつも共に悲しみや悦びの世界に歩む...
柳宗悦 「朝鮮の友に贈る書」
...工藝の歩むべき方向について...
柳宗悦 「民藝とは何か」
...而して常に現実に満足せざるべしてふ願慾を有しつゝあることを得たるは是れ実に久しく地下に眠つて再び与(とも)に現世を歩むこと能はざる此一友人の恩恵に帰すべきこと多きは余の好んで告白せんと欲する所なり...
山路愛山 「透谷全集を読む」
...哀(かな)しみは遠き窓より我に来(き)ぬ夜(よる)を催す黒雲(くろくも)の如(ごと)恋人と世界を歩む旅に居てなどわれ一人さびしかるらんわが脊子(せこ)よ君も物憂し斯(か)かること言放(いひはな)つまで狂ほしきかな宿の近くにババリヤ公園があつて...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
...浮気な貴女を愛することは禁断道路を歩むよりも一層困難に思うのです...
吉行エイスケ 「孟買挿話」
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