...此間やつた臨時種痘の成績調やら辭令やらを寫して居ながらも...
石川啄木 「病院の窓」
...此間から見えなかつた斬髪機(バリカン)が一挺...
石川啄木 「天鵞絨」
...ああ此間(こなひだ)通つた車の跡が...
上田敏 上田敏訳 「牧羊神」
...水月は又「僕は此間海に這入つて...
高濱虚子 「俳諧師」
...そこにはつい此間まで庭の一部分であつた池があつて...
田山花袋 「道綱の母」
...唯此間の消息を傳ふもの...
長塚節 「草津行」
...此間中(このあひだぢう)は何(ど)うも忙(いそが)し過(すぎ)て降参したから」と誠吾は火の消えた葉巻(はまき)を口(くち)に啣えた...
夏目漱石 「それから」
...此間(このあひだ)の鉢(はち)に水(みづ)を張(は)つて置いて...
夏目漱石 「それから」
...代助は此間から珍らしくある会(くわい)を一二回欠席した...
夏目漱石 「それから」
...「此間(こないだ)買ったの」「好(い)い色だ」「まあ...
夏目漱石 「それから」
...――俺は此間から...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...此間やまと新聞かで品川芸者の評判記が出てゐたが...
平出修 「二黒の巳」
...あんたは此間の晩...
牧野信一 「小川の流れ」
...メイといふのは私達がつい此間まで住んでゐた寂しい海辺の村の「マメイド」と私達が称び慣れた貧しい酒屋の娘であります...
牧野信一 「東京駅にて感想」
...いざといふ時になつて上座に据えてしまへば済むことだから当人には知らせる程のこともないだらう! と此間東京で皆な集つた時に一決したわけなんだが...
牧野信一 「円卓子での話」
...――然し此間断然と云ひ切つた以上に「近頃の若い者は俺達の時分とは違つて仲々考へてゐる...
牧野信一 「若い作家と蠅」
...此間(このあひだ)までつとめてゐた印刷工場で足の上へ重い活字箱を落としてけがをして首を切られ...
村山籌子 「こほろぎの死」
...此間小島子来臨、因而(よつて)御答相頼、乍然(さりながら)雨天なれば老人には定而(さだめて)迷惑可仕と可有御坐心得に而(て)、雨天の事申上候...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
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