...「利助どんも大分に評判がえいからおれもすっかり安心してるよ、もう狂(あば)れ出すような事あんめいね」「そうですよ伯父さん、わたしも一頃は余程迷ったから、伯父さんに心配させましたが、去年の春頃から大へん真面目になりましてね、今年などは身上(しんしょう)もちっとは残りそうですよ、金で残らなくてもあの、小牛二つ育てあげればって、此節は伯父さん、一朝に二かつぎ位草を刈りますよ、今の了簡(りょうけん)でいってくれればえいと思いますがね」「実の処おれは、それを聞きたさに今日も寄ったのだ、そういう話を聞くのがおれには何よりの御馳走だ、うんお前も仕合せになった」こんな訳で話はそれからそれと続く、利助の馬鹿を尽した事から、二人が殺すの活(いか)すのと幾度も大喧嘩(おおげんか)をやった話もあった、それでも終いには利助から、おれがあやまるから仲直りをしてくろて云い出し誰れの世話にもならず、二人で仲直りした話は可笑しかった...
伊藤左千夫 「姪子」
...當時の模樣を日高凉臺が手紙で傳へた文に「此節は西醫も珍敷者到來にて...
徳永直 「光をかかぐる人々」
...此節之胸中は都下にて何程深く御推察被下候とも...
徳永直 「光をかかぐる人々」
...此節柄餘儀なき場合に付...
徳永直 「光をかかぐる人々」
...此節ハ先ズ本所デ男ダテノヨウニナッテキマシテ...
中里介山 「大菩薩峠」
...そうでなくてさえ此節は...
野村胡堂 「死の予告」
...此節は辻斬や追剥(おひはぎ)が出て...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...此節は物騒で叶わないから...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...外にも叔父を怨んでゐる者は二人や三人はあるんだから、誰がやつたかわからないが、お玉さんだつて、此節の樣子では、親位殺し兼ねませんよ」「お玉は何を怨(うら)んで居るのだ」「好きな男と一緒にしてくれないばかりでなく、隣の方を向いた窓まで、皆んな釘付けにするやうぢや、お玉さんどんなに人間が素直でも、親を怨み度くもなりますよ」「ところで、變なことを訊くが、お前は久米野の家で下女代りにコキ使はれて居ると言つたが、それで腹の底から諦めて居るだらうな」「――」「口のきゝやう、化粧の濃さ、お前は只の素人ぢや無いやうだ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...「棟梁(とうりやう)の伜の辰が、近頃お前のところへ來るさうぢやないか」「あれは威勢の良い、胸のすく兄さんよ、でも、その辰さんだつて、近頃は隱居所のお芳さんに夢中なんだもの、此節の素人衆は、油斷も隙もありやしない」平次は八五郎に目配せして、其處を立ち退きました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...此節は吉原まで荒し廻る」「達者だな...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...此節(このせつ)のように...
野村胡堂 「芳年写生帖」
...醇を児玉氏へ「せつかく此節遣候(はむ)と存候」と云つてゐる...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...しかし末の「止宿之事は此節奈何可有御坐」と対照して其義を暁(さと)ることが出来る...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...此節は閑無事(かんぶじ)...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...)狩谷此節上野広小路へ御引越...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...其(その)儘(まゝ)に而(て)此節は療治もやめ申候」と云ふ轉歸である...
森鴎外 「壽阿彌の手紙」
...此節高名の骨接(ほねつぎ)醫師...
森鴎外 「壽阿彌の手紙」
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