...むむ、此奴等、活かして置くんじゃねえけれど、娑婆の違った獣(けだもの)だ、盆に来て礼を云え...
泉鏡花 「婦系図」
...此奴(こいつ)が馬鹿に儲かるんだ...
内田魯庵 「貧書生」
...此奴を一貝(ひとかひ)一銭に売るんだが二貫か三貫か資本(もと)で一晩二両三両の商売(あきなひ)になる...
内田魯庵 「貧書生」
...まるで此奴(こいつ)は犬みたようにさもしい男だ...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...すると此奴(こいつ)はぐずぐずしているところじゃないんだ...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...今(いま)となっては此奴(こやつ)一人(ひとり)すら多過(おほす)ぎる...
シェークスピヤ William Shakespeare 坪内逍遙訳 「ロミオとヂュリエット」
...若(も)しも毒(どく)が欲(ほ)しければ賣(う)りさうなのは此奴(こいつ)め...
シェークスピヤ William Shakespeare 坪内逍遙訳 「ロミオとヂュリエット」
...幕府の頓馬が、我々共の勢に恐れて、浪人組を作ろうなどと致しておるが、これも、血の道、逆上の揚句じゃし、又、これへ、食えぬからとて、応募しよる浪人があるが、此奴も、血迷っておるし――ええと帝(みかど)おもう至誠の弓を一筋に引きて返らぬ武士(もののふ)の道為王事水戸脱藩士 柴山壮蔵源正忠わしの字は拙いの...
直木三十五 「南国太平記」
...よし/\此奴なら痛しめるほどのことはないと...
中里介山 「百姓弥之助の話」
...此奴(こいつ)が狗(いぬ)のような毒血を払ってはたして何物を掴(つか)んでいる? こう思った彼はわざと軽蔑(けいべつ)の色を面(おもて)に現わして訊(き)いて見た...
夏目漱石 「明暗」
...此奴は好いお茶番だと笑はれるに...
樋口一葉 「わかれ道」
...何奴(どいつ)も此奴(こいつ)も本田一人の相手に成ッてチヤホヤしていて...
二葉亭四迷 「浮雲」
...此奴親父をきつかけにして...
牧野信一 「蝉」
...此奴変な奴だな! といふやうな眼つきで彼の方を見た...
牧野信一 「眠い一日」
...短気なことを!吉村此奴(こやつ)...
三好十郎 「天狗外伝 斬られの仙太」
...T「此奴の顔を見て下され顔をッ」と言って...
山中貞雄 「武蔵旅日記」
...ははあ此奴(こいつ)...
吉川英治 「江戸三国志」
...此奴(こいつ)と睨んだ者はどんなことがあろうとも...
吉川英治 「剣難女難」
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