...しかし此の度の逃亡もひょっとすると自分の束の間の感傷から出たのかも知れない...
梅崎春生 「日の果て」
...「此の度は――とうとう――」「とうとう駄目でございました」おかみさんは急に袖を目にあてた...
梅崎春生 「風宴」
...此の度はどうもと殊勝気(しゅしょうげ)に頭を下げたので...
梅崎春生 「風宴」
...此の度の、あの怪(け)しからぬ噂(うわさ)が、いったいどこ迄、事実なのか、此の朗読劇を御覧にいれて、ためしてみようという、――」ハム...
太宰治 「新ハムレット」
...此の度移転の事につきては唖子兼てよりの約束もあり...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...いかに戦争だとて人と生れたからには此の度独逸(ドイツ)人が白耳義(ベルギー)に於てなしたような罪悪を敢てし得るものではないと思っていたのだ...
永井荷風 「花火」
...此の度の戰爭は宣傳に始まつて宜傳で進行してゐるやうな觀がある...
野上豐一郎 「大戰脱出記」
...此の度だけは穏便(おんびん)にとのお思召で御座います」実に行き届いた言葉...
野村胡堂 「新奇談クラブ」
...此の度は飛んだことで」錢形の平次が挨拶すると...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...もと/\此の度の番組は...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...母なるものは弱き哉思はず嬉し涙に咽び入り候 去月御身出京の節御身が私に云ひ残せし言葉は此の度こそは初めて詐りでなかりしこと相解り候 その節私が与へたる男子一と度郷関を出づ云々の古語を此上にも体得せられ度候...
牧野信一 「蝉」
...入社の辞〔『少年』〕私は此の度本社に入社することになりました...
牧野信一 「〔編輯余話〕」
...「此の度西の国より来れる一人の勇士あり...
槇村浩 「おどり子の出世」
...「此の度は何とも...
宮地嘉六 「煤煙の臭ひ」
...それを此の度太秦発声で「清水次郎長」に出演している一党の態度を見て僕は一入感を深くした...
山中貞雄 「雑録」
...……吾助は此の度も長屋代表を呼び集め...
山本周五郎 「長屋天一坊」
...此の度は穏便にして取らせるから有難く心得ろ」「はあ……...
山本周五郎 「長屋天一坊」
...此の度の出世は寺法先規に従ったまでで...
吉川英治 「随筆 宮本武蔵」
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