...叔父さんの家は又此のお爺さんお婆あさんの家でもあるのです...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...半年もたたない中に此の娘は男を嫌い始めて度々里の家にかえるので馴染もうすくなり...
井原西鶴 宮本百合子訳 「元禄時代小説第一巻「本朝二十不孝」ぬきほ(言文一致訳)」
...此の画を見る毎(たび)に...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...此の頃では子供も慣れて言葉をかけ...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...我が伊藤統監を以て此の二人に比するは...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...二山県相公閣下、世には閣下を目して出処進退に巧みなる人なりといふ者あり、我輩も亦閣下が謹慎にして、常に出処進退に注意するの周到なるを信ずれども、独り閣下が余りに国家を憂ふるに切なるが為に、反つて自家の本領に背きて、漫然今日の難局に当りたるは、我輩甚だ閣下の為に歎惜する所なり、閣下或は国家の急、敢て一身の利害を顧るに遑あらずと言はむ、此の類の言語は、古来往々愛国者の口より聞く所なりと雖も、国家の急は決して斯る単純なる思想の能く済ふ所に非るを奈何せむや...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...此の文中、博奕の事の中にも、當時足利時代に有名な徳政――即ち何年間に一遍凡ての貸借を帳消にしてしまふといふ政治の行はれた事なども書いてありますが、兎に角非常に博奕が盛んでありました...
内藤湖南 「應仁の亂に就て」
...わたくしは此のあたりの裏町の光景に興味を覚えて之を拙作の小説歓楽というものの中に記述したことがあった...
永井荷風 「上野」
...後に心づけは此の日は灌仏にて乞食多く本願寺門前に集り来る時なり...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...此の日突然東京の街頭に曽て仏蘭西で見馴れたような浅葱の労働服(ブルーズ)をつけた職工の行列を目にして...
永井荷風 「花火」
...而かも眼界の及ぶ所此の如し...
長塚節 「草津行」
...此の町に店を持ってる南部氏の世話で丁度カイロから来ていた通訳(ドラゴマン)サイド・マブロウグを傭うことにして...
野上豊一郎 「七重文化の都市」
...此のビルディングのすべての入口は鎖され...
野村胡堂 「新奇談クラブ」
...此の人はとうに死んで居たらう...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...此の橋際にも其がある...
三島霜川 「解剖室」
...権八は最初私が此の土地に来た当分は何かと私に親切だつた...
宮地嘉六 「ある職工の手記」
...……だが……君、此の前、原稿持って来た時、変な事言っていたねえ?佐田 なんですか?三好 その作品が駄目とわかり、将来書いて行っても到底望みが無いようなら、なんだとかって...
三好十郎 「好日」
...両三日内に予は此の懐かしい町を去る...
山本周五郎 「青べか日記」
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