...此の如くにして彼は再びその「洞窟」に歸るの決心を新たにした...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...渠は此世に於て、此自蔑の念に襲れる程厭な事はない...
石川啄木 「病院の窓」
...この人は富の無限の源となる此の蒸気機関の土台を造つて...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...此学説の確立に勉めし者を...
高木敏雄 「比較神話学」
...しばらく此地に客(かく)たりき...
高山樗牛 「清見寺の鐘聲」
...二人が嘗(かつ)ては此処で同じ飯を食ひ...
田山花袋 「ある僧の奇蹟」
...彼に説く道――今になほ能はゞ――講ずべからずや?』97 此の句は神を讃美する時に用ゐるもの...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...斯くして近く彼と此...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...所が此處に發令されました自工法案の實施に當り...
豊田喜一郎 「準備は出來たトヨタは邁進します」
...最もよき官職は皆此仲間の占むる所となつた...
内藤湖南 「概括的唐宋時代觀」
...指(ゆび)で其所(そこ)此所(こゝ)を指(さ)しながら...
夏目漱石 「門」
...野郎ツ」八五郎はもう此男を下手人にきめて居る樣子です...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...ふいと此の屍體を見たならば...
三島霜川 「解剖室」
...此言葉に誤字もあるべく...
南方熊楠 「女順禮」
...此位にしてやる人もあるのだと思わせ沢山貰おうとする...
宮本百合子 「秋の反射」
...「此方そばに置度と広島をぢよりせつかく申参候...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...半ちゃんが帰ったら此処へ来るように半ちゃんの知っている家へ頼んでおいたんです」「あたしもできるだけのことはしてあげるつもりよ...
山本周五郎 「風流太平記」
...私は囲炉裡に近く腰をかけながら、「君は何処で歌を作るのです、此処ですか」と、赤々と火の燃えさかる炉端を指した...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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