...手を反へした樣に此頃其の感じが薄らいで...
有島武郎 「半日」
...然しながら欧羅巴も必ず此位の程度に悪からうと云ふ様に...
井上準之助 「最近欧米に於ける財政経済事情」
...私は此の感傷に甘く身をひたしていた...
梅崎春生 「桜島」
...此の書斎が愈々古くなり...
辰野隆 「書狼書豚」
...自分がゐたら中々福子の怒り方が此のくらゐでは済むまいと思ふと...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のをんな」
...此問題を解決する能力を私は持つてゐない...
種田山頭火 「其中日記」
...私は今更ながら此家庭に對して深い同情が出て來ました...
土井八枝 「隨筆 藪柑子」
...此夜百合子鶴見の旅亭に帰る...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...此からもう海水浴のお客さんがそろ/\参りますから...
長塚節 「隣室の客」
...此時ほど平次も覺(さと)らされたことはありません...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...此方(こちら)へ丁寧にお通し申すんだ」「お家の重寶友切丸(ともきりまる)か何か紛失(ふんしつ)したんだらう...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...此乘合自動車は、アワイ茶屋と云ふところまで行くのださうですが、昨日の大雨で崖が崩れて通れなく、手前のアジコノ原茶屋と云ふところまで行つてくれましたが、意地の惡い事には亦雨が降り出してしまひました...
林芙美子 「大島行」
...こんなみじめな思ひをする爲に、此世の中には、男も女も澤山うじやうじやとゐるのだらうかともんは不思議に思ふのだつた...
林芙美子 「秋果」
...此方が饒舌つてやらうと思つた...
牧野信一 「夏ちかきころ」
...此書を見るに、柳は既に来た...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...「景樹の此歌他書に見え候ものには無之候や」と問うた...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...五山が此巻を草したのは恐くは文政元年であらう...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...此間小島子来臨、因而(よつて)御答相頼、乍然(さりながら)雨天なれば老人には定而(さだめて)迷惑可仕と可有御坐心得に而(て)、雨天の事申上候...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
便利!手書き漢字入力検索