...此等の人の大多數は唯自分と共鳴若しくは同感すると云ふ意味で尊敬に價するのみである...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...二此時、校長田島金蔵氏は、感極まつて殆んど落涙に及ばんとした...
石川啄木 「雲は天才である」
...此世開けてより以來定まつて居ることである...
伊藤左千夫 「古代之少女」
...此金(これ)はお返しします...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...此の東方精神の造型的顕現の特質は幾多の起伏を超えて今新らしくわれわれの未現の世界に於いて再び精神の造型化にあらわれようとしている...
高村光太郎 「ミケランジェロの彫刻写真に題す」
...やがて庫裡(くり)の奥から五分刈位に髪の毛を延した鬚(ひげ)の深い僧が此方にやつて来た...
田山花袋 「ある僧の奇蹟」
...而も此政策は、韓國に出入する不道徳の日本人に障害せられて、十分韓民に徹底せざりしこと往々之れありしのみならず、極言せば韓民の日本に對する惡感情は、主として韓國に出入する日本人の行爲に基くもの多かりき...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...此の血腥(ちなまぐさ)い時代を背景として...
直木三十五 「大衆文芸作法」
...代助は此渡金(めつき)の大半をもつて...
夏目漱石 「それから」
...「此奴(こいつ)は先刻(さっき)僕が飲んだんだから」と云って...
夏目漱石 「それから」
...此處には呼吸中樞や心臟鼓動中樞があり...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...貴島て奴あ何うして此う愚にもつかぬものを書くのか...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...……その二もう一年余も披(ひら)かなかった此日記を取り出して...
堀辰雄 「ほととぎす」
...云はれて見れば此方の態度や言葉が充分虫のイヽ負担を相手に求めようと試みてゐるものであつた...
牧野信一 「坂道の孤独参昧」
...「憤るも憤らないもないけれどさ……」――これツぱかりのことで此方の気を病はされちやとてもやりきれない……そこ迄は云えなかつたので...
牧野信一 「坂道の孤独参昧」
...此度の事は誤報臆測等より出でたる間違ひなれども全体余は世人より嘲罵を受くる値打ありと自ら思ふ...
正岡子規 「明治卅三年十月十五日記事」
...此処の坂道を登ったり降りたりするときに限って...
横光利一 「馬車」
...清の康煕帝の世に此山に王気が立つと云ふので山脈の中央を縦に鑿開し...
與謝野寛・與謝野晶子 「満蒙遊記」
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