...それを又正直に聞いてやる番頭も間抜けぢや無えか...
芥川龍之介 「鼠小僧次郎吉」
...そして、珍らしいものを求める私の心は、その、自分の目に見慣れない女の姿を、照れたり、含恥(はにか)んだりする心がなく、正直に見詰めた...
泉鏡花 「幼い頃の記憶」
...わたしに向つて傲然(がうぜん)と構へてゐるのを見た時に――今になつて何もかもわたしの愚かさを正直に云ふのだが――わたしは三十余年前に...
犬養健 「愚かな父」
...正直に言えば驚きよりも好奇心で――...
高見順 「如何なる星の下に」
...正直に云って御覧...
谷崎潤一郎 「少将滋幹の母」
...真正直にひとすぢ...
富澤赤黄男 「天の狼」
...正直に種を割つて説明してやりたい位...
永井荷風 「新歸朝者日記」
...眠れないから」兵馬は正直に答えました...
中里介山 「大菩薩峠」
...正直に云えば胃の具合できめたのである...
夏目漱石 「私の個人主義」
...――お前が正直にしてくれさえすれば...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...書いてある文字の通り正直に讀んでもらひたい...
萩原朔太郎 「散文詩・詩的散文」
...だが上陸第一日のこの瞬間に僕の胸をとざした感情は正直に告白したいと思ひます...
北條民雄 「続重病室日誌」
...ここは正直に話したほうがいい...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「真劇シリーズ」
...すべてを公正・正直に処理したことか...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「本命馬」
...何の見得もなく正直に...
牧野信一 「美智子と日曜日の朝の話」
...正直に誰がやつたかを云へ...
槇本楠郎 「先生と生徒」
...正直に云って、日本の学界の水準は西洋の学界の水準よりも低いことを認めねばならぬ...
三木清 「軽蔑された飜訳」
...「もう正直に本当だと云ってもいいだろう...
山本周五郎 「五瓣の椿」
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