...世の正常な人々には一寸(ちょっと)会得(えとく)しにくいかも知れぬ...
江戸川乱歩 「孤島の鬼」
...その間隙を液体で充填することによって割れ目の面における音波の反射をかなりまで防止し従って鐘の正常な定常振動を回復することができるであろうと考えられる...
寺田寅彦 「鐘に釁る」
...その目つきがはたして正常な正気の象の目つきとどれだけ違うかを確かめる事は私にはできなかった...
寺田寅彦 「解かれた象」
...だから最も正常な――その意味で一般的な――理想状態の下では...
戸坂潤 「現代哲学講話」
...必ずしも芸術の正常なアカデミーではない...
戸坂潤 「思想動員論」
...自然科学(乃至一般に科学)と哲学とのこの分裂を正常な必然的連関に齎したものは云うまでもなく現代の唯物論である...
戸坂潤 「辞典」
...正常な言語の音としては...
橋本進吉 「国語音韻の変遷」
...奈良朝においては多分正常な音韻としては存在しなかったであろう...
橋本進吉 「国語音韻の変遷」
...これは正常な人間の營みではない...
林芙美子 「雨」
...もとどおり正常な表情になった...
アルジャナン・ブラックウッド 森郁夫訳 「秘密礼拜式」
...正常な思考が戻り始めた...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「くちなしの花」
...冷たい正常な刺激を享(う)けていた...
本庄陸男 「石狩川」
...これまで日本の市民生活に正常な国際性はかけていた...
宮本百合子 「あとがき(『宮本百合子選集』第十巻)」
...勿論あれは正常な一日の大略であって...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...現代の文化の正常な前進にとって一番大切なものは...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...むしろ、正常な是認と、おだやかな職業的誇りこそ含んでおれ、今の批評家たちが使用し、かつ、そう言われた人たちがそう受取っているようなドギツイ非難や軽蔑をこめて使うには無理のある語ではあるまいかと思われる...
三好十郎 「恐怖の季節」
...じっさいばからしいほど正常な...
山川方夫 「愛のごとく」
...第二章正常な生活を取り戻すのは...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「時間からの影」
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