...これも正体なく酔っていて...
谷崎潤一郎 「少将滋幹の母」
...全く正体なく眠っているので...
コナンドイル Conan Doyle 三上於莵吉訳 「白銀の失踪」
...正体なく寝込んでいる弟の二の腕に彫りかけた入れ墨のあるのに目を着けた...
徳田秋声 「足迹」
...引き上げられて正体なく...
中里介山 「大菩薩峠」
...それほど正体なくきめつけられ了(おわ)った状態を適当に形容するには...
夏目漱石 「思い出す事など」
...時には自分の魂(たましい)の居所(いどころ)さえ忘れて正体なくなる...
夏目漱石 「草枕」
...ぐうぐう正体なく眠てしまった...
夏目漱石 「坑夫」
...与次郎は偉大なる暗闇の中に正体なく埋まっているに違いない...
夏目漱石 「三四郎」
...三千代が帰る時は正体なく午睡(ひるね)をしていた門野が...
夏目漱石 「それから」
...戦場に遺棄された戦死者のように四肢をだらりと投げ出してライオンが正体なく眠っている...
平林初之輔 「動物園の一夜」
...正体なく寝入っている所を無手(むず)と引掴(ひッつか)み...
二葉亭四迷 「平凡」
...正体なく眠つて居ます...
眞山青果 「茗荷畠」
...「どうしたのか、よほど疲れているとみえて、正体なく、寝てばかりいるようだよ」「そうだろう、おれが巣鴨(すがも)へ行った帰り途(みち)、ちょうど庚申塚(こうしんづか)の先であの女を見かけたんだが、まるで、ふらり、ふらりと、魂の抜けた人間みたいに歩いているので、初めは、てっきり気狂(きちが)いだと思ったくらいだ」「そんな調子で、何処からとなく歩いていたのかしら、着物の袖はほころびているし、裾(すそ)はまるで泥だらけさ...
吉川英治 「江戸三国志」
...二人の人間が正体なく炉辺(ろべり)に長くなっている...
吉川英治 「江戸三国志」
...楽屋の蓙に正体なく寝くたれていたお延は...
吉川英治 「剣難女難」
...正体なく寝ているけれど...
吉川英治 「剣難女難」
...この暁は正体なく寝入っているに違いない」こう観(み)た義貞の“観(かん)の目(め)”は中(あた)っていた...
吉川英治 「私本太平記」
...蒟蒻(こんにゃく)のように正体なく...
吉川英治 「新・水滸伝」
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