...止むを得ず「傀儡師(くわいらいし)」の売れ高を答へた...
芥川龍之介 「岩野泡鳴氏」
...半歳ばかり札幌に於て流浪してゐるうち、生活上の困難がつみ重つて來たので、止むを得ず、一時の間に合はせに、再び新聞記者となり、道中の或方面へ出かける途中で、兄のゐる山へ立ち寄つた...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...止むを得ず暫らく腰を落ちつけた...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...「寒いから止むを得ずふるえているんだ...
梅崎春生 「蜆」
...馬越氏も止むを得ず譲る事にしたものだ...
薄田泣菫 「茶話」
...天女止むを得ずして...
高木敏雄 「比較神話学」
...止むを得ず他の人間を喰物にするなぞといふ事は...
太宰治 「知らない人」
...今では止むを得ず私(わたくし)と他(た)に女の助手を二名置きまして...
永井荷風 「新歸朝者日記」
...止むを得ず生を続けるだけの手段は尽くす様なものの...
シモン・ニューコム 黒岩涙香訳 「暗黒星」
...夫れでは何か理屈があつて止むを得ずといふ次第か...
樋口一葉 「にごりえ」
...お母様方が止むを得ずお出かけの時でも「大きくなつたらつれてつて上げますからね」と云はれて...
平山千代子 「お泊り」
...――二十八歳で止むを得ず早くも悟った人間(フィロゾーフ)になることは容易ではない...
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン Ludwig van Beethoven、ロマン・ロラン Romain Rolland 片山敏彦訳 「ベートーヴェンの生涯」
...勉強が止むを得ず出来なかつたといふ原因で落第しても...
牧野信一 「ランプの明滅」
...その時は丁度私が東京近郊で世界に珍らしい食虫植物のムジナモ(Aldrovanda vesiculosa L.)を発見した際なので私は止むを得ずこれを駒場の農科大学へ持って行ってそこでそれを写生し...
牧野富太郎 「植物記」
...どうも仕方がないので止むを得ず...
牧野富太郎 「ムジナモ発見物語り」
...合祀励行で止むを得ず合祀せし諸社の跡地完全に残存するものは...
南方熊楠 「神社合祀に関する意見」
...門跡大に困つて止むを得ず大會式の場で其女を宗門放逐に處すと宣言した...
南方熊楠 「詛言に就て」
...止むを得ずその主演者の最高の弟子が監督を引き受ける...
夢野久作 「能とは何か」
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