...止むなく社殿をめぐつて資料を漁ることとした...
竹内勝太郎 「淡路人形座訪問」
...アイスキュロスは、舞台上で同時に用い得る声の数が限られている事に依て、そこで止むなく、コオカサスに鎖(つな)ぐプロメトイスの沈黙を発明し得たのであります...
太宰治 「鬱屈禍」
...止むなくこれを冷させて食ふ...
田山花袋 「秋の岐蘇路」
...私は止むなく學資の内から其時六圓づゝ割いて與へました...
長塚節 「教師」
...其處で止むなく宿の息子で此の間迄役場の書記をしてゐたといふ人を口説き落して...
沼井鐵太郎 「黒岩山を探る」
...道頓堀へ出て角座の様子をきくと今日は貸切だとあって、止むなく、新世界へ...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...止むなく涙とともに盃を受けて...
林不忘 「若き日の成吉思汗」
...止むなく移り住んだ者であつたから...
牧野信一 「鬼の門」
...坂の途中から体力に逆つた単なる慣性で止むなく二本の脚が猛烈な威勢で空滑りしたやうなものであつたから...
牧野信一 「創作生活にて」
...表情と挙動で発表すべく止むなく習慣づけられてゐる水車小屋の聾唖者であつたから...
牧野信一 「沼辺より」
...しかも狼共が背後にまわるのを防ぐために止むなく後退し...
ジャック・ロンドン Jack London 山本政喜訳 「荒野の呼び声」
...止むなく、私はどうか今夜だけ、と頼んで漸く部屋に通された...
若山牧水 「樹木とその葉」
...止むなく私は立ち留つた...
若山牧水 「梅雨紀行」
...止むなく滞在ときめて漸くいい気持に酔いかけて来ると...
若山牧水 「みなかみ紀行」
...止むなくそれを蘆の湖の宿屋でやる事にして...
若山牧水 「みなかみ紀行」
...止むなく其処から二里ほど歩いた所に在るという福地温泉というまで来て見ると...
若山牧水 「みなかみ紀行」
...止むなく屋根裏の様な不思議な部屋に通されたが...
若山牧水 「みなかみ紀行」
...止むなく引返して十月初めティドールに帰着した...
和辻哲郎 「鎖国」
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