...私は――」登志子は押し上げて来る歔欷をのんでじっと突いた洋傘の先のあたりに目を落した...
伊藤野枝 「わがまま」
...そして僕もまた、彼女の側に倒れて、歔欷する...
大杉栄 「男女関係について」
...歔欷(きょき)の波うねり...
太宰治 「狂言の神」
...声しのばせての歔欷(きょき)に誘われ...
太宰治 「虚構の春」
...なぜ同行の大使館員二人には染(うつ)らないのでしょう! これでは殿下は死んでも死に切れません! いいや殿下は我慢なさっても我々印度人にはもう我慢がならないのです」途端に並いる印度人一同の間から歔欷(すすりなき)の声が洩(も)れた...
橘外男 「ナリン殿下への回想」
...なんということなしにお玉は歔欷(しゃく)りあげるほどに動かされてしまったのでありました...
中里介山 「大菩薩峠」
...「御前様(ごぜんさま)」お君は歔欷(すすりなき)の声で再び主人を呼びました...
中里介山 「大菩薩峠」
...ほのかに歔欷(なきじやくり)が顫へます...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...声の無い歔欷(なきじゃくり)が...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...さうすると歔欷く声があちらでもこちらでも一層烈しくなった...
原民喜 「奇蹟」
...歔欷きがまた聞こえて来た...
北條民雄 「いのちの初夜」
...ねえ!』憐(あは)れな小(ちひ)さな物(もの)が再(ふたゝ)び歔欷(すゝりなき)しました(否(いや)...
レウィス、キァロル Lewis Carroll 丸山英觀訳 「愛ちやんの夢物語」
...絶(た)えず海龜(うみがめ)の苦(くる)しさうな歔欷(すゝりなき)とに妨(さまた)げられて絶(た)え/″\に...
レウィス、キァロル Lewis Carroll 丸山英觀訳 「愛ちやんの夢物語」
...尚(な)ほ折々(をり/\)少(すこ)しづゝ歔欷(すゝりなき)して居(ゐ)たけれども...
レウィス、キァロル Lewis Carroll 丸山英觀訳 「愛ちやんの夢物語」
...歔欷(すゝりなき)しながら咽(むせ)ぶやうな聲(こゑ)で...
レウィス、キァロル Lewis Carroll 丸山英觀訳 「愛ちやんの夢物語」
...海龜(うみがめ)の重々(おも/\)しき歔欷(すゝりなき)であつたのです...
レウィス、キァロル Lewis Carroll 丸山英觀訳 「愛ちやんの夢物語」
...その歔欷(すす)り上げる呼吸の切れ目切れ目に...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...そもまま歔欷(すすりな)くように円筒状の夜の大阪を感じていた...
吉行エイスケ 「大阪万華鏡」
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