...………(永い間(あいだ)の歔欷(すすりなき))「ぽうろ」弥三郎の話ああ...
芥川龍之介 「報恩記」
...――(突然(とつぜん)烈(はげ)しき歔欷(すすりなき))巫女の口を借りたる死靈の物語――盜人(ぬすびと)は妻(つま)を手(て)ごめにすると...
芥川龍之介 「藪の中」
...そして僕もまた、彼女の側に倒れて、歔欷する...
大杉栄 「男女関係について」
...なぜ同行の大使館員二人には染(うつ)らないのでしょう! これでは殿下は死んでも死に切れません! いいや殿下は我慢なさっても我々印度人にはもう我慢がならないのです」途端に並いる印度人一同の間から歔欷(すすりなき)の声が洩(も)れた...
橘外男 「ナリン殿下への回想」
...ラエーフスキイの歔欷(すすりなき)に耳を澄ましながら答えた...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「決闘」
...私の女が立ちません」荒い歔欷(すすりなき)が...
徳田秋声 「あらくれ」
...やがて彼女の歔欷(すすりなき)の詩であり...
徳田秋声 「仮装人物」
...低い歔欷(すすりなき)の声をはじめて聞くような気がした...
徳田秋声 「黴」
...ものの十秒とも経たないうちにその啜泣は波打つ歔欷(きょき)と変った...
富ノ沢麟太郎 「あめんちあ」
...彼は歔欷(きょき)の発作に襲われた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...棺に納められた妻の死骸を見た瞬間です‥‥』彼は急に歔欷の声を立てたが...
トルストイ 米川正夫訳 「クロイツェル・ソナタ」
...いかにも悲しい歔欷(すすりなき)の声が続く...
中里介山 「大菩薩峠」
...チャイコフスキーの泣き濡(ぬ)れた姿――嗚咽(おえつ)と歔欷(きょき)と慟哭(どうこく)とに充ちた音楽――は常に我らのために――存分に泣くことをさえ許されない我らに代って――心から悲しむ姿であり...
野村胡堂 「楽聖物語」
...嗚咽と歔欷(きょき)にみちたあの美しい「葬送行進曲」です...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...親分」動哭(どうこく)と嗚咽(おえつ)と歔欷(すすりなき)の中へ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...僕が死んであげる――」その人は歔欷したが...
長谷川時雨 「傘」
...傍聴席の一角からも細い女の歔欷が聞えて来たので...
松永延造 「職工と微笑」
...――涙の出ない歔欷(すすりなき)のようなものが再び腹の底から起って仰向いている朝子の唇を震わせた...
「おもかげ」
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