...現に「神曲」の浄罪界は病後の歓びに近いものを持つてゐる...
芥川龍之介 「文芸的な、余りに文芸的な」
...彼は早くから文芸方面の素質を示し、いかなる場合にも真摯な研究態度と柔軟にして強靭なる生活意欲(芸術家としての)を失わなかつたから、いつか大成するだろうと楽しみにしていたのであるが、この著書を手にして私は自分の期待の満される日があまりにも間近に迫つて来ていることを知つて驚きもし、歓びもした...
伊丹万作 「広告」
...私は私の体の中に新しい歓びが蘇って来るのを覚える...
外村繁 「澪標」
...「高尚な願望の与える歓びも...
豊島与志雄 「意欲の窒息」
...かかる偶然の機会によって淡々たる日常の生活が忽然詩中のものとなる時わたしは無限の歓びを覚える...
永井荷風 「写況雑記」
...そんな些細な単純なことに歓びを見出してゐるのだらうか...
原民喜 「火の子供」
...カアルは自分の歓びを歌に作った...
フィオナ・マクラウド Fiona Macleod 松村みね子訳 「精」
...歓びたちまち凶と変じて...
正岡容 「我が圓朝研究」
...それを歓び楽しむことで...
宮沢賢治 「疑獄元兇」
...母の歓びを売って...
吉川英治 「三国志」
...扈従(こじゅう)の人々も歓びあい...
吉川英治 「三国志」
...……で思わず、西涼軍が大挙して来ると聞いたとき、嬉しさのあまり、歓びを発したが、それに不審を抱いたことは、そち達もようやく兵を語る眼がすこしあいてきたというものである...
吉川英治 「三国志」
...朶思(だし)大王は、額を叩いて、歓び躍った...
吉川英治 「三国志」
...歓びを分ちたいのだ...
吉川英治 「新書太閤記」
...人に見せるは、人に誇るにあらで、歓びを分って、人の歓びを歓ぼうとするのじゃ...
吉川英治 「新書太閤記」
...さらに感情の波長をひろげて、周囲を同調させ、世間大衆とも、共に歓び、共に悲しみ、共に暮して行こうとする――...
吉川英治 「新書太閤記」
...歓びともしていた国元の莫大な財産が...
吉川英治 「源頼朝」
...その春の歓びが雪によって妨げられる...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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