...その栄光をうべなふに――だが其の栄光を支へてゐたのは汚い泥土の湿地を匍匐(はらば)ふ歎く葦原の類(たぐひ)のみでない勝利の偉勲の刃(やいば)でもない...
上里春生 「傾ける殿堂」
...歎(なげ)く...
江戸川乱歩 「接吻」
...この象のように大柄な外国の老婦人の歎きにはなんだか心が動かされる...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...驚くべき偉力を発揮するんだからね」ホームズは感歎した...
コナン・ドイル 三上於莵吉訳 「空家の冒険」
...遂に芸者組合より苦情出で内々その筋へ歎願密告せしかば大正五年四月の頃より時の警視総監西久保某といへる人命令を部下の角袖(かくそで)に伝へてどしどし市中の白首を召捕(めしと)りけり...
永井荷風 「桑中喜語」
...何時(いつ)か歎願的に變つてゐた...
南部修太郎 「猫又先生」
...悲歎にくれるのでした...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...伯母君は我が上を歎げき歎げきて...
樋口一葉 「雪の日」
...今(いま)はと決心(けつしん)の臍(ほぞ)固(かた)まりけんツト立上(たちあが)りしが又(また)懷中(ふところ)に手(て)をさし入(い)れて一思案(ひとしあん)アヽ困(こま)つたと我知(われし)らず歎息(たんそく)の詞(ことば)唇(くちびる)をもれて其儘(そのまゝ)に身(み)はもとの通(とほ)り舌打(したうち)の音(おと)續(つゞ)けて聞(きこ)えぬ...
樋口一葉 「別れ霜」
...道長のしたり顔を眺めながら歎息をもらした...
久生十蘭 「うすゆき抄」
...最初の獻金者は歎ずるかも知れないが...
正宗白鳥 「學校の今昔」
...さてその紳士その美人を娶れば娶り得るはずだったが、利に走る世の習い、その美人よりも富んでさほどの標緻(きりょう)を持たぬ女を妻(めと)ったとは、歎息のほかなし...
南方熊楠 「十二支考」
...昨年再び禁令下りて製造者よりこの歎願書を出だせしなり...
村井弦斎 「食道楽」
...だんだんあらが出てこないわけはありません」中将がこう言って歎息(たんそく)した時に...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...真心からどんなに歎くことであろう...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...霞亭は自ら「恨歎弥日...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...発売禁止の余り手広く行われるのを歎かわしく思うだけです...
森鴎外 「食堂」
...20我歎は知らぬ群の耳に入る...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
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