...自分を欺きとおして暮らしていけるという自信はない...
伊藤野枝 「転機」
...眼(まなこ)は百錬の鏡を欺き...
巌谷小波 「こがね丸」
...〔根の堅州國〕ここに八十神見てまた欺きて...
稗田の阿礼、太の安万侶 「古事記」
...海の和邇(ワニ)を欺きて言いけらく...
高木敏雄 「比較神話学」
...悪魔先ず人間を欺きて...
高木敏雄 「比較神話学」
...禹徳淳 (つづけて)十強国を欺きて内臓を皆抜き取りながら合唱 (はじめは低く...
林不忘 「安重根」
...万が一にも誇大自ら欺きしものにあらざるかを虞(おそ)れて...
綱島梁川 「予が見神の実験」
...世界に於ける一般的失業状態と失業の大勢とを欺き了わせることは出来ないだろう...
戸坂潤 「技術の哲学」
...自分を欺きながらも『高潔の影』を保つことができるからね...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...味方をするといって欺きもした――欺いたが...
直木三十五 「南国太平記」
...暫くのあいだ人を欺き...
中里介山 「大菩薩峠」
...僕を欺きに來た詐欺師ぢやないか?」僕はそつと眼を盜んで...
萩原朔太郎 「室生犀星に與ふ」
...彼が勞役に行くと云ふ決心も、我を欺き、世間を欺く一つの手段にさへ過ぎないと思はれた...
平出修 「計畫」
...世間を欺き、家庭を欺き、学問を冒涜し、最後に、恋人をすら欺かなければならなかった不徳漢にとって、残された道は死あるのみです...
平林初之輔 「人造人間」
...全ての誘惑や罠や欺きから遠く離れて...
アーネスト・ヘミングウェイ Ernest Hemingway 石波杏訳 Kyo Ishinami 「老人と海」
...政府へはこれ人民が悦んで合祀を請願する款状(かんじょう)なりと欺き届け...
南方熊楠 「神社合祀に関する意見」
...余が幼きころより長者の教えを守りて、学びの道をたどりしも、仕えの道をあゆみしも、みな勇気ありてよくしたるにあらず、耐忍勉強の力と見えしも、みな自ら欺き、人をさえ欺きつるにて、人のたどらせたる道を、ただ一条(ひとすじ)にたどりしのみ...
森鴎外 「舞姫」
...鼻の表現に依って人を欺き得たもの――即ち全然虚偽の表現を徹頭徹尾真実の表現と見せかけて他人を心から感動せしめ得るものこそ真の悪魔でなければならぬという見方から...
夢野久作 「鼻の表現」
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