...この期に及びわれ曹(ら)を欺き...
巌谷小波 「こがね丸」
...余は自己を欺きつつありしものにして余の真性は悪鬼なりしなり...
内村鑑三 「基督信徒のなぐさめ」
...――被害民を悉く欺きおおせても...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...重くなりて動かずと欺きて...
大町桂月 「宗吾靈堂」
...「あれは宋の秦檜(しんかい)さ、忠良を害し、君を欺き、国を滅したから、こんな重罪を受けておる、他の者も皆国を誤ったもので、この者どもは、国の命が革(あらた)まるたびに、引出して、毒蛇に肉を噬(か)まし、飢鷹に髓を啄(つつ)かすのだ、それで、肉が腐り爛(ただ)れてなくなると、神水をかけて業風(ごうふう)に吹かすと、また本の形になる、こんな奴は、億万劫(ごう)を経ても世には出られないよ」はもう家へ還りたくなった...
田中貢太郎 「令狐生冥夢録」
...(叫ぶ)コレア・ウラア! 安重根ウラア!禹徳淳 (手の赤紙を読み続ける)究凶究悪惨たる手段十強国を欺きて内臓を皆抜き取りながら青年N それは誰の作だ...
林不忘 「安重根」
...おのが同輩を欺き...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...此後再び先輩を欺き犯すこと勿れ...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...天を欺きかつみずから欺くなり...
徳富蘇峰 「将来の日本」
...自分を欺きながらも『高潔の影』を保つことができるからね...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...彼らは金を欺き取り...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...わたくしは処世の経験に乏しい彼の女(おんな)を欺き...
永井荷風 「※[#「さんずい+(壥−土へん−厂)」、第3水準1-87-25]東綺譚」
...僕を欺きに來た詐欺師ぢやないか?」僕はそつと眼を盜んで...
萩原朔太郎 「室生犀星に與ふ」
...我は戦場で敵と組み合って討ち死にしたとでも皆に欺き言い触らすことであろう...
藤野古白 藤井英男訳 「戦争」
...都合良く自分を欺き...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「本命馬」
...これにも欺き終おせて無事に還ってきたという童話式のもののほかに...
柳田国男 「山の人生」
...鼻の表現に依って人を欺き得たもの――即ち全然虚偽の表現を徹頭徹尾真実の表現と見せかけて他人を心から感動せしめ得るものこそ真の悪魔でなければならぬという見方から...
夢野久作 「鼻の表現」
...誰れぞ、彼等を欺きて、そのうら若き純情に、善き隣なる日本をば侮るべしと教へしは...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集拾遺」
便利!手書き漢字入力検索