...自分を欺き人を欺いたことが...
伊藤左千夫 「奈々子」
...眼(まなこ)は百錬の鏡を欺き...
巌谷小波 「こがね丸」
...海の鰐六を欺きて言はく...
稗田の阿礼、太の安万侶 「古事記」
...「これは君を欺き国を誤るの罪だ...
田中貢太郎 「続黄梁」
...「あれは宋の秦檜(しんかい)さ、忠良を害し、君を欺き、国を滅したから、こんな重罪を受けておる、他の者も皆国を誤ったもので、この者どもは、国の命が革(あらた)まるたびに、引出して、毒蛇に肉を噬(か)まし、飢鷹に髓を啄(つつ)かすのだ、それで、肉が腐り爛(ただ)れてなくなると、神水をかけて業風(ごうふう)に吹かすと、また本の形になる、こんな奴は、億万劫(ごう)を経ても世には出られないよ」はもう家へ還りたくなった...
田中貢太郎 「令狐生冥夢録」
...万が一にも誇大自ら欺きしものにあらざるかを虞(おそ)れて...
綱島梁川 「予が見神の実験」
...吾人は実に世に容れられんと欲せば、他人の思うごとく思い、他人の言うごとく言い、他人の行なうごとく行なうの得策たるを知らざるにあらざれども、ただいかんせん、吾人は天を欺き、人を欺き、かつ自個を欺くあたわざるをいかんせん...
徳富蘇峰 「将来の日本」
...実は互ひに欺き合ひ詐り合ふて政治上のポン引を働かむとしたるに過ぎず...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...時の有名なる新聞記者岸田吟香氏を欺き出版せしめたことがある...
内藤湖南 「日本文化とは何ぞや(其一)」
...昨日まで勝たざる「勝利」のためにわれ/\を欺き...
永井壮吉 「冬日の窓」
...虚偽の影法師で欺きながら...
萩原朔太郎 「ニイチェに就いての雑感」
...目の前に人を欺きて巧みに政府の法を遁(のが)れ...
福沢諭吉 「学問のすすめ」
...前に述べた亀が諸獣を紿(あざむ)いた話に似たのはわが邦にも『古事記』に因幡(いなば)の素兎(しろうさぎ)が鰐(わに)を欺き海を渡った話がある...
南方熊楠 「十二支考」
...満雅計りて白米を馬に掛けて沢山な水で洗うと見せ敵を欺き果(おお)せた...
南方熊楠 「十二支考」
...さうして問題の此の解決は長年の間自分を欺き通した...
水上瀧太郎 「貝殼追放」
...此類の學者は能く自ら欺き...
森鴎外 「柵草紙の山房論文」
...これは欺きやすく・満たしやすい・不確かな審判者だからである...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...そして君から教えられた通りに彼女の夫を欺き...
渡辺温 「絵姿」
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