...その人民を欺きて虚偽の書面に盲印を捺さしめ...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...名は曾婆加里(そばかり)を欺きてのりたまはく...
稗田の阿礼、太の安万侶 「古事記」
...(叫ぶ)コレア・ウラア! 安重根ウラア!禹徳淳 (手の赤紙を読み続ける)究凶究悪惨たる手段十強国を欺きて内臓を皆抜き取りながら青年N それは誰の作だ...
林不忘 「安重根」
...欺かるゝことを恐るゝ勿れ、売らるゝことを恐るゝ勿れ、欺くものは欺き、そのものが欺かうとしたものには当らずに、却つて欺く者を射すであらう...
田山録弥 「解脱非解脱」
...先生を欺きました...
田山花袋 「蒲団」
...私のうちにはもちろん私を欺きまたは誤謬に誘ふものは何も存しないが...
デカルト Renati Des-Cartes 三木清訳 「省察」
...その時ヘクト,ル剛勇のアキルリュウスに向ひ曰ふ、『あゝ神に似るアキリュウス、汝誤る、ヂュウスよりわが運命をまだ聞かず、空しく言(こと)を弄ぶ、 280汝巧みに喋々し、われを欺き、われをして、汝を怖れ勇と意氣忘れしめんと念ずるや?汝は槍に逃れ行く我が身の背をばよも刺さじ、勇氣溢るゝわが胸を刺せ、神明の寵あらば...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...みずからを欺き、みずからの偽りに耳を傾ける者は、ついには自分の中にも他人の中にも、真実(まこと)を見分けることができぬようになる...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...実は互ひに欺き合ひ詐り合ふて政治上のポン引を働かむとしたるに過ぎず...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...彼らは金を欺き取り...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...内外人への欺きであった...
蜷川新 「天皇」
...我を欺き世間を欺く一つの手段にさへ過ぎないと思はれた...
平出修 「計画」
...彼が勞役に行くと云ふ決心も、我を欺き、世間を欺く一つの手段にさへ過ぎないと思はれた...
平出修 「計畫」
...目の前に人を欺きて巧みに政府の法を遁(のが)れ...
福沢諭吉 「学問のすすめ」
...前に述べた亀が諸獣を紿(あざむ)いた話に似たのはわが邦にも『古事記』に因幡(いなば)の素兎(しろうさぎ)が鰐(わに)を欺き海を渡った話がある...
南方熊楠 「十二支考」
...余が幼きころより長者の教えを守りて、学びの道をたどりしも、仕えの道をあゆみしも、みな勇気ありてよくしたるにあらず、耐忍勉強の力と見えしも、みな自ら欺き、人をさえ欺きつるにて、人のたどらせたる道を、ただ一条(ひとすじ)にたどりしのみ...
森鴎外 「舞姫」
...眼付きや口もとの表現で他人を欺き得るものはまだ徹底的に欺き得るものとは云えない……悪魔の名を冠(かぶ)らせるに足りない...
夢野久作 「鼻の表現」
...第二の皇子の詐欺は翁をはじめかぐや姫をも欺き得たが...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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