...『怎(どう)したけな?』と囁いてみたが返事がなくて一層歔欷(すゝりな)く...
石川啄木 「天鵞絨」
...二度許り歔欷(すゝり)あげた...
石川啄木 「二筋の血」
...歯くいしばっても歔欷(きょき)の声...
太宰治 「二十世紀旗手」
...女は低い欷歔(すゝりなき)の音を立てた...
田山録弥 「アンナ、パブロオナ」
...唯欷歔(すゝりなき)の声のみが何物にもさまたげられずに微かに野に近い空気に雑り合つた...
田山録弥 「百合子」
...百合子は床の中でのみ欷歔(すゝりあ)げた...
田山録弥 「百合子」
...かの女はまた欷歔(すゝりなき)した...
田山録弥 「百合子」
...腰に絡(まつわ)りついている婦人連の歔欷(すすりなき)が...
徳田秋声 「黴」
...いかにも悲しい歔欷(すすりなき)の声が続く...
中里介山 「大菩薩峠」
...それ故に……」お君は歔欷(しゃく)り上げて泣きました...
中里介山 「大菩薩峠」
...歔欷流涕(きょきりゅうてい)という文字だけでも名状し難いすすり泣きと昂奮とで...
中里介山 「大菩薩峠」
...おとつゝあ勘辨(かんべん)してくろよう」と歔欷(すゝりな)くやうな假聲(こわいろ)が更(さら)に聞(きこ)えた...
長塚節 「土」
...時として地極と地帯に飽き果てた殉教者・海はその歔欷(すすりなき)でもつて私をあやし...
ジャン・ニコラ・アルチュール・ランボー Jean Nicolas Arthur Rimbaud 中原中也訳 「ランボオ詩集」
...忽ちにして大声放歌欷歔(ききょ)涙下る...
夏目漱石 「人生」
...車匿の歔欷(きょき)に変わっていた...
原口統三 「二十歳のエチュード」
...あちこちから欷歔の声が流れた...
牧野信一 「サクラの花びら」
...傍聴席の一角からも細い女の歔欷が聞えて来たので...
松永延造 「職工と微笑」
...歔欷(すゝりなき)のために其(そ)の聲(こゑ)が出(で)ませんでした...
レウィス、キァロル Lewis Carroll 丸山英觀訳 「愛ちやんの夢物語」
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