...公は欣び、賞として領邑を與へることにしたが、筮師は公の前を退くと直ぐに倉皇として國外に逃れた...
中島敦 「盈虚」
...全メンバア一致の欣びと感謝をもって...
牧逸馬 「双面獣」
...各自探せばそれぞれ共通して発見し得られる同じ欣びでもあり...
横光利一 「旅愁」
...一層欣びたいと思ふ...
吉川英治 「折々の記」
...――だが、胸がスウッとしたな、夜叉権の一件にゃあ」「強慾な金貸野郎が、あんな目に遭うなあ世間の薬だ」「今まで、彼奴(あいつ)のために、泣きを見せられていた貧乏人達ゃあ、大欣びで、赤の飯を炊(た)いたろう」「雲霧大明神か」「お互いに、あんまり、非道な金は、絞(しぼ)るめえぜ」「下手(へた)あすると、次は、三井だって、あぶねえことさ」「ホイ、今日は、餅撒きだ...
吉川英治 「雲霧閻魔帳」
...たった一つのお欣びがごぜえます――委細はこれをご覧なせえまし」と伝吉は携(たずさ)えて来た一通を差し出した...
吉川英治 「剣難女難」
...からくも再興なされた欣びの日であった」「…………」「お覚えか」「岐阜(ぎふ)どの...
吉川英治 「新書太閤記」
...またその欣びの見えぬ信長を...
吉川英治 「新書太閤記」
...御本望を遂げられて――』と欣びの言葉を述べに集まって来る...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...欣びの涙にくれたりしていた...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...妻の大きな欣びとも...
吉川英治 「親鸞」
...同時にわしの欣びは裏書された...
吉川英治 「茶漬三略」
...お欣びなされませ」と...
吉川英治 「日本名婦伝」
...どんなにお欣びであろうか』『葵(あおい)祭りには...
吉川英治 「梅※[#「風にょう+思」、第4水準2-92-36]の杖」
...そうか」半蔵の顔は、欣びで、皺(しわ)だらけになった...
吉川英治 「松のや露八」
...欣びをつつまない...
吉川英治 「宮本武蔵」
...もっと謡(うた)えよ」月充(み)ち日足りて生産(しょうさん)の時いたれば業風(ごうふう)ふきて是(これ)を促(うなが)し骨節(ほねふし)ことごとく痛み苦しむ父も心身おののき懼(おそ)れ母と子とを憂念し諸親眷族(けんぞく)みな苦悩すすでに生れて草上に堕(お)つれば父母、欣び限りなく猶、貧女(ひんにょ)の如意珠(にょいじゅ)を得たるが如し初めはふざけていた彼らも、次第に意味が酌(く)めて来ると、聞くともなく聞き惚れていた...
吉川英治 「宮本武蔵」
...その欣びを昂(たかぶ)らせて...
吉川英治 「無宿人国記」
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