...高い処から次第に卑(ひく)き地位に移り...
大隈重信 「勢力の中心を議会に移すべし」
...同期の連中が年月と共に次第に昇進した地位について行くのが...
武田麟太郎 「現代詩」
...次第になつかしい村は近づいて来た...
田山花袋 「ある僧の奇蹟」
...どこからともなく次第に集まって来て...
寺田寅彦 「浅間山麓より」
...次第に彼女の口もほどけてきて...
ドストエーフスキイ 神西清訳 「永遠の夫」
...愚僧は御遺言(ごゆいごん)に基(もとづ)き当山八代目の住職に相なり候次第にて有之候...
永井荷風 「榎物語」
...日を經るに從つて次第に短くなつて行く...
中島敦 「山月記」
...蝋燭(ろうそく)の灯(ひ)の細きより始まって次第に福やかに広がってまた油の尽きた灯心(とうしん)の花と漸次(ぜんじ)に消えて行く...
夏目漱石 「琴のそら音」
...瞼(まぶた)を閉じて、瞳(ひとみ)に落ちる光線を謝絶して、静かに鼻の穴だけで呼吸しているうちに、枕元の花が、次第に夢の方へ、躁(さわ)ぐ意識を吹いて行く...
夏目漱石 「それから」
...市政が次第に紊乱したのである...
新渡戸稲造 「人格を認知せざる国民」
...次第に信頼しきる心持になつて...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...次第に身も心も輕くなつて...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...此處で留守居をして居たのは誰だらう」「下男の權治で御座います」「呼んで來て貰はうか」平次は次第に攻撃の網を絞(しぼ)つて行く樣子です...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...Kが次第に自分の身のまわりに集めた一群の援助者のうちでも...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「審判」
...次第に平常通りの彼に返って来た...
火野葦平 「糞尿譚」
...夜(よ)は次第に明けて来た...
シュニッツレル Arthur Schnitzler 森鴎外訳 「みれん」
...次第に眼を開けて飛びまはる方が盛んになり...
柳田國男 「兒童語彙解説」
...――偽宮方(にせみやかた)と申すものだ」「偽宮方」「六波羅の放免(密偵)どもも、次第に、賢うなって来たわ――宮方の密使や説客などが、まま山伏すがたを仮(か)りて往来することあるを知り、近ごろは、彼らの仲間が山伏の皮をかぶって、幕府に反意あるものを、頻りに嗅ぎ歩いているものらしい」「すれや、一大事だ」「何が一大事?」「なにがと仰せられますが、これよりは長のお旅路、しかも、ゆゆしき御秘命を持たれるのに、この先、何となされますか」「なんともせぬ...
吉川英治 「私本太平記」
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