...このカッフェに欠くべからざるものだから...
芥川龍之介 「葱」
...ことにロック・クライミングには必要欠く可からざる品である...
石川欣一 「山を思う」
...人には義理を欠くことの多く...
太宰治 「善蔵を思う」
...天柱拆(さ)け地維欠くとも言うべき一大凶変が突如として起り...
田中貢太郎 「死体の匂い」
...科学は云わば観念的に大衆を組織化する(そしてかかる観念的組織化は政治的組織化に欠くことが出来ず又その重大な一部分でさえもある)...
戸坂潤 「イデオロギーの論理学」
...その外観・その形骸に於て学問らしく見えるものもこの規定をただ一つ欠く時...
戸坂潤 「科学方法論」
...因果律は時間表象を本質的な欠くべからざる要素として含むことはすでに明らかである(そしてそれ故時間空間的世界形象から抽象的な世界形象に移るにはある限界があるということが明らかとなった)...
戸坂潤 「カントと現代の科学」
...是を以て他の資格に於て欠くる所あるも...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...しかしこの頃はもう女にはその日のことにも事を欠くことが多くなり出していた...
堀辰雄 「曠野」
...一般的教養に欠くことのできぬもの...
三木清 「如何に読書すべきか」
...法則的なものの認識は形成作用にとって欠くことのできぬものである...
三木清 「哲学入門」
...美を欠く器は、完(まった)き用器ではなく、用を欠く器は全き美器ではない...
柳宗悦 「工藝の道」
...余りに細かい技に陥ってかえって紙布としての味(あじわ)いを欠くともいえましょう...
柳宗悦 「手仕事の日本」
...これを儀礼のために欠くべからざる農作物と認めたらしいことが...
柳田国男 「海上の道」
...さもさも物体の特性を弁別する才能を欠く者のごとく批評せらるるに至ったのは是非もなき次第である...
柳田國男 「地名の研究」
...身のいこいに欠くことのできない相手であった...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...醜業婦は都市の繁昌のため欠くべからざるものだ」なぞ云う人もある...
夢野久作 「東京人の堕落時代」
...または少くとも公共の支出に対する国家自身の欠くべからざる必要を満たした後に国家が吾々に残す純収入のすべてを...
デイヴィド・リカアドウ David Ricardo 吉田秀夫訳 「経済学及び課税の諸原理」
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