...あなたはわたしの曲乗りに欠くことのできないだいじな目標になっています...
モーリス・ルヴェル 田中早苗訳 「或る精神異常者」
...手曳きという役は手を曳くばかりが受け持ちではない飲食起臥(きが)入浴上厠(じょうし)等日常生活の些事(さじ)に亘(わた)って面倒を見なければならぬしこうして佐助は春琴の幼時よりこれらの任務を担当し性癖(せいへき)を呑(の)み込(こ)んでいたので彼でなければ到底気に入るようには行かなかった佐助はむしろこの意味において春琴に取り欠くべからざる存在であった...
谷崎潤一郎 「春琴抄」
...太刀魚のえさには欠くことができない...
壺井栄 「瀬戸内の小魚たち」
...その自動車から毛皮にくるまって降りて来た背の低い狸(たぬき)のようなレデーのあとから降りて来たのがすなわちこの際必要欠くべからざる証人社長池田君で...
寺田寅彦 「初冬の日記から」
...術語が定義し得られず従って又一致を欠くのを常とするという事実は...
戸坂潤 「イデオロギーの論理学」
...科学は云わば観念的に大衆を組織化する(そしてかかる観念的組織化は政治的組織化に欠くことが出来ず又その重大な一部分でさえもある)...
戸坂潤 「イデオロギーの論理学」
...世論に欠くことの出来ぬ時事性や政治性をまだ有っていない...
戸坂潤 「現代哲学講話」
...これでは政情の明朗を欠くので...
戸坂潤 「現代日本の思想対立」
...判断断定の合理的党派性を欠くこととは...
戸坂潤 「思想としての文学」
...何んとかに欠くということになる)お由羅は...
直木三十五 「南国太平記」
...濡れ手拭は長寿法において一日も欠くべからざる者である...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...彼らに取って欠くべからざるものは筋肉の労働である...
新渡戸稲造 「教育の目的」
...その対象を欠くときでさえ継続しがちであり...
デイビッド・ヒューム David Hume 井上基志訳 「人間本性論(人性論)」
...生きるために欠くことの出来ない生活必需費を...
宮本百合子 「現実の必要」
...欠くべからざる食品とした霜月の二十三日は...
柳田国男 「海上の道」
...人間の共同生活の統制組織として欠くことのできない存在であるが...
矢部貞治 「政治学入門」
...変通自在を欠く死陣をさしていうことぞ...
吉川英治 「新書太閤記」
...適当な動機づけを欠くゆえに...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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