...」ゲツセマネの橄欖(かんらん)はゴルゴタの十字架よりも悲壮である...
芥川龍之介 「西方の人」
...しかしクリストは十二の弟子たちよりも或は橄欖(かんらん)の林だの岩の山などを愛したであらう...
芥川龍之介 「続西方の人」
...露けき橄欖の葉を織り込めつ...
ハンス・クリスチアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 森鴎外訳 「即興詩人」
...顔色の橄欖(オリーヴ)色も...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...橄欖(おりいぶ)色の栞の房が垂れた...
石川啄木 「鳥影」
...中空に参差(しんし)し交錯した橄欖樹が...
橘外男 「ウニデス潮流の彼方」
...橄欖樹(かんらんじゅ)で作った紙切りナイフなど...
寺田寅彦 「旅日記から(明治四十二年)」
...敵は琢ける橄欖の長き柄つけて青銅を鍛へし*斧を盾の下...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...ソヒヤの塔荒れて福音俗に媚ぶるとも聞けや夕の鐘のうち靈鷲橄欖いにしへの高き...
土井晩翠 「天地有情」
...橄欖の実は九月に熟す...
徳冨蘆花 「馬上三日の記」
...銀色の粉末を振りかけた橄欖樹...
豊島与志雄 「現代小説展望」
...橄欖樹(オリーヴ)に覆(おお)われた四方の丘...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...嶮しい白い山、翡翠の空、羊の切身のやうな土の色、灰色の都市、田舍の赤屋根、寺院の尖塔、サボテンの舞踏、橄欖の群落、エル・グレコの青い繪、ゴヤの黒い繪、さういつたものが限りなく記憶のインデックス・ケイスに詰まつてゐて、何を見てもそれ等のものが比較のために顏をのぞけるのだつたが、さうしてそれが懷かしまれるのだつたが、不思議にも、汽車に乘つてしまふと、そんなものはすべてピレネーの連山と共に遙かの後(うしろ)の方へ後(あと)じさりして、行手のパリの空のみがしきりに氣になりだした...
野上豐一郎 「大戰脱出記」
...橄欖の木の間から...
原勝郎 「足利時代を論ず」
...塩基性玄武岩輝石安山岩および橄欖石...
久生十蘭 「地底獣国」
...橄欖(オリーブ)の実の数珠を持って歩いていられるのでございましょうね?」この気の毒な老婦人にベルナアルさんはたしかに立派な修道士になっていると告げることが出来たら...
久生十蘭 「葡萄蔓の束」
...橄欖(オリイブ)色の皮膚をした仏蘭西人の赤ん坊が二人...
牧逸馬 「運命のSOS」
...「思惟(しい)の思惟」に依って橄欖山(オリーブやま)を夢見る哲学者を憐(あわ)れみ...
牧野信一 「吊籠と月光と」
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