...橄欖を折らむとする願に堪へない...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...橄欖(おりいぶ)色の栞の房が垂れた...
石川啄木 「鳥影」
...橄欖岩に準長石?……ふむ...
大阪圭吉 「気狂い機関車」
...却って橄欖岩や準長石の類は往々含有している事...
大阪圭吉 「気狂い機関車」
...遥か橄欖(かんらん)と糸杉の森の彼方では...
橘外男 「ウニデス潮流の彼方」
...橄欖(かんらん)の翠(みど)りしたたるオリムピアがすでに昔(むかし)に過ぎ去ってしまった証拠(しょうこ)には...
田中英光 「オリンポスの果実」
...幽明を窮むる橄欖(かんらん)林の夫子(ふうし)に非ず...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...若緑が銀灰色の橄欖樹(オリーヴ)と交じり合っていた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...その藍色を暗然たる橄欖色(かんらんしょく)となすなど...
永井荷風 「江戸芸術論」
...丘を蔽う凡ての橄欖(かんらん)と...
夏目漱石 「幻影の盾」
...嶮しい白い山、翡翠の空、羊の切身のやうな土の色、灰色の都市、田舍の赤屋根、寺院の尖塔、サボテンの舞踏、橄欖の群落、エル・グレコの青い繪、ゴヤの黒い繪、さういつたものが限りなく記憶のインデックス・ケイスに詰まつてゐて、何を見てもそれ等のものが比較のために顏をのぞけるのだつたが、さうしてそれが懷かしまれるのだつたが、不思議にも、汽車に乘つてしまふと、そんなものはすべてピレネーの連山と共に遙かの後(うしろ)の方へ後(あと)じさりして、行手のパリの空のみがしきりに氣になりだした...
野上豐一郎 「大戰脱出記」
...暗道(ポテルン)の光沢のある橄欖石の側壁が...
久生十蘭 「地底獣国」
...橄欖(オリーブ)の実の数珠を持って歩いていられるのでございましょうね?」この気の毒な老婦人にベルナアルさんはたしかに立派な修道士になっていると告げることが出来たら...
久生十蘭 「葡萄蔓の束」
...手に手に携へて来た橄欖の枝をこの噴泉の水に濡らして...
牧野信一 「山彦の街」
...口啣橄欖新葉...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...鳶いろ朽葉いろ檳欖いろの名人あるなら...
正岡容 「初代桂春団治研究」
...そして青い橄欖(かんらん)の森が...
宮沢賢治 「銀河鉄道の夜」
...(十一月廿八日)彼南(ペナン)臙脂(ゑんじ)の中に濃(こい)い橄欖(オリイブ)を鮮かに交へた珍しい曙光(しよくわう)を浴びた我船(わがふね)は徐徐(じよじよ)とマラツカ海峡の西の出口ペナン島の港に入(はひ)つた...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
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