...「だって櫛部寓って標札(ひょうさつ)が出ているじゃないか?」妻は驚いたように僕の顔を見上げた...
芥川龍之介 「死後」
...刷梳(こきくし)と云ふ大きな櫛のやうな鋼鉄の歯の間を通す...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...なんだか銀色にかがやく櫛(くし)のようなものがあった...
海野十三 「大宇宙遠征隊」
...そして最後の仕上げをチックと櫛に托して...
海野十三 「地球発狂事件」
...その飾附けの出来あがつた櫛を十歳の少年である彼と共に大きな重い風呂敷包にして...
武田麟太郎 「釜ヶ崎」
...櫛の歯をひくような注進でござりますけれども...
谷崎潤一郎 「盲目物語」
...――箪笥の後ろに落ちた櫛を取るから...
豊島与志雄 「変な男」
...天櫛明玉命を祀れる處にして周防の一宮と稱せられ...
内藤湖南 「卑彌呼考」
...櫛の有無で、決して変りは致しませぬ...
直木三十五 「南国太平記」
...「この櫛が、死骸の側にあつたのですよ、御新造」「まア」「圍ひの中へ入らなかつたんでせうな」平次もツイ、この當惑した美女のために、助け舟を出してやる氣になりました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...――揃ひにこしらへた自分の櫛は...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...あの櫛の主といふのは」「越後屋の内儀のお酉(とり)さんさ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...髪も櫛巻(くしま)きにして巾(きれ)も掛けずにいる...
広津柳浪 「今戸心中」
...それが櫛の一つ二つの使いかたの変化だとは...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...挿(さ)し櫛のはいった小箱につけられた飾りの造花に御歌が書かれてあった...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...凡三四町書肆櫛比(しつぴ)す...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...讚岐国那珂郡櫛梨村の人...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...何事かと思って覗いてみると勿体らしい衣冠束帯をした櫛田神社の宮司が...
夢野久作 「近世快人伝」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??