...その后の御櫛(みぐし)海邊(うみべた)に依りき...
稗田の阿礼、太の安万侶 「古事記」
...この櫛(くし)を拾ったじゃないか」「その拾ったが怪しいよ...
田中貢太郎 「妖影」
...簪か櫛かを髪の間に差込んで頭を掻いた...
豊島与志雄 「理想の女」
...いつのまにか両側は櫛比(しっぴ)した町家になっている...
中里介山 「大菩薩峠」
...「櫛(くし)とつたな此處(ここ)に居(ゐ)たよう」と此(こ)れも喉(のど)の底(そこ)からかすれて出(で)るやうな聲(こゑ)が群集(ぐんしふ)の中(なか)から發(はつ)せられた...
長塚節 「土」
...櫛は二た月前に盗まれたんだ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...小粒で二両入っていたという与七の紙入は、往来か銭湯か、横町の師匠のところで紛失(なく)し、お今の足袋は犬でも咥(くわ)えて行ったとすると、この家で無くなった品で本当に発見されないのは、用箪笥の鍵と、お文の櫛と、たった二つだけになります...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...自分の小さい櫛を持たせてやつた...
林芙美子 「朝夕」
...その鳥が源内櫛にばかり飛びつくというのはどういうわけです...
久生十蘭 「平賀源内捕物帳」
...漆黒の長髪を櫛目も見えるほどに品のいいオールバックに撫でつけ...
久生十蘭 「魔都」
...ただ櫛状の如き山岳もしくは河流をもってするいわゆる机上の理論的境界たるに過ぎずして...
日野強 「新疆所感」
...故意(わざ)と女持の大きな櫛で分けてゐる...
水上瀧太郎 「貝殼追放」
...宇治へ帰った侍従は右近と二人でひそかに櫛の箱と衣箱の衣裳をつれづれなままにこまごまと見た...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...十三屋の櫛(くし)だとか...
柳宗悦 「手仕事の日本」
...おそらくは櫛(くし)をいれるいとまもなかったのであろう...
山本周五郎 「日本婦道記」
...櫛筥(くしばこ)を持ち出して...
吉川英治 「新書太閤記」
...櫛(くし)を削(けず)ったり...
吉川英治 「親鸞」
...どうする気か」櫛を...
吉川英治 「宮本武蔵」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??