...櫛巻の房(ふッさ)りとした...
泉鏡花 「浮舟」
...地(じ)の透く髪を一筋梳(すき)に整然(きちん)と櫛を入れて...
泉鏡花 「婦系図」
...その童女(をとめ)を湯津爪櫛(ゆつつまぐし)に取らして...
稗田の阿礼、太の安万侶 「古事記」
...白い女のゴム櫛(ぐし)などが...
徳田秋声 「あらくれ」
...簪(かんざし)や櫛(くし)を折られたりしがちであった...
徳田秋声 「縮図」
...残んの雪衾(ぶすま)をはねのけて起き上ると、まず、長い重圧で硬直している肢体を、身にしみじみと温かい陽光に、やわらげほぐし、しどけなく寝みだれたもつれ髪を、南風に櫛けずり、雪消の真(ま)清水を思い切り啜って、全身を養い、すがすがしい大気を胸いっぱいに吸い込んで、葉緑素を染めかえ……さて前年から用意しておいた若芽を、天心さして萠え立たせ、雌花、雄花をつつましやかに咲きそろわせ、山風に香りも高く、金の花粉をまき散らし、松毬(かさ)を累々と実らせ、熟させ、その上、来たるべき年の芽や花まで、いち早く身うちに創りあげてゆく……いや実に、いそがしいもいそがしいが、また生き甲斐のある、緊張と充実の明け暮れがつづく...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...僕は櫛を鏡台の上に置いて...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...櫛(くし)を見せて下さい...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...あつしが拾つたんで」八五郎は懷紙に包んだ黄楊(つげ)の梳(す)き櫛(ぐし)を一つ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...十三屋の櫛屋(くしや)の前に...
林芙美子 「新版 放浪記」
...十三屋の櫛屋のところで...
林芙美子 「放浪記(初出)」
...王妃の親指の爪を台にして作った櫛や...
ジョナサン・スイフト Jonathan Swift 原民喜訳 「ガリバー旅行記」
...」おあいは、細帯一つになって、燈心をほそめ、櫛は、行燈台の小抽斗(こひきだし)にいれた...
室生犀星 「蛾」
...凡三四町書肆櫛比(しつぴ)す...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...そして猶工合のわるい事には何分の一秒かの間隔をおいて女の頭の皮の髪にもつれた脂じみた黄楊の櫛がはらりと彼の足許に落ちたのである...
森於菟 「屍体異変」
...伊勢(いせ)では櫛田川(くしだがわ)のほとりのある村で...
柳田国男 「こども風土記」
...花櫛(はなぐし)を挿して道行(みちゆ)きをしたり...
柳田国男 「木綿以前の事」
...稲束(いねたば)を平たくしてその櫛の歯の間を通すので...
柳田国男 「木綿以前の事」
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