...「僕はあの棕櫚(しゅろ)の木を見る度に妙に同情したくなるんだがね...
芥川龍之介 「彼」
...こらどうしたんやろか」そのとき広い廊下の向うの隅にある棕櫚(しゅろ)の鉢植の蔭からヌッと姿を現わした者があった...
海野十三 「蠅男」
...己はあの棕櫚山を上る時に怪我をした筈だが」と云って...
谷崎潤一郎 「紀伊国狐憑漆掻語」
...日没椶櫚(しゆろ)生(お)ふるエニンに到り...
徳冨蘆花 「馬上三日の記」
...景品として棕櫚酒(しゆろしゆ)一壺を貰(もら)ひました...
豊島与志雄 「アフリカのスタンレー」
...椰子(やし)や棕櫚(しゆろ)が...
豊島与志雄 「シロ・クロ物語」
...魚の卵に似た棕櫚の花など...
中勘助 「銀の匙」
...竹の先へ棕櫚の毛を束ねたのを以て以前の印半纏の男が立つてる人々の頭を端から端へと叩くのであつた...
長塚節 「菜の花」
...――刈り込まざる髯!棕櫚箒(しゅろぼうき)を砧(きぬた)で打ったような髯――この気魄(きはく)は這裏(しゃり)に磅(ほうはく)として蟠(わだか)まり瀁(こうよう)として漲(みなぎ)っている...
夏目漱石 「趣味の遺伝」
...棕櫚の木の更に夥しく茂った間に泥土の家が建っていて...
野上豊一郎 「七重文化の都市」
...彼女は棕櫚(しゅろ)の木のように...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...奇妙な棕櫚(しゆろ)の枝と天童の頭の浮彫(うきぼり)がしてあつて...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...――独りの部屋に帰つて窓先きを眺めてゐると棕櫚の樹の葉蔭に何時もの梟(フクロ)が来てゐる...
牧野信一 「どうしたら私は憐れな彼女を悸さずに済せるだらう」
...止むを得ずそのまゝ隣家よりボロ/\の野良着を借り出し棕櫚の枯葉を被り...
牧野信一 「途上日記」
...この中国の椶櫚を日本シュロの一変種と認め...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...一株の棕櫚(しゅろ)と...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「ルイスヒェン」
...」さう言つて唐棕櫚の葉をなでて見たりした...
室生犀星 「故郷を辞す」
...垣の内側には疎(まば)らに高い棕櫚(しゅろ)が立っていた...
森鴎外 「カズイスチカ」
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