...漕(こ)いで入る船の艪櫂(ろかい)の音も...
泉鏡花 「悪獣篇」
...櫂を握るにもあてはなし...
海野十三 「幽霊船の秘密」
...櫂をにぎるわが勇士たちの腕も...
海野十三 「幽霊船の秘密」
...男は櫂を一掻きして...
江戸川乱歩 「悪魔の紋章」
...何だかいやに御丁寧に縛ってあるようよ」男は櫂を離して...
江戸川乱歩 「悪魔の紋章」
...あゝアキリュウス! 君にして奮ひたゝずばアカイアの 230櫓櫂いみじく備はれる舟の存亡計られず...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...それで帆と櫂との軍艦が必要となった...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...松を抱く巌(いわ)の、落ちんとして、落ちざるを、苦にせぬように、櫂を動かし来り、棹(さお)を操(あやつ)り去る...
夏目漱石 「虞美人草」
...彼等は黒い哥薩克帽を片下りにかぶつて、櫂の先きで、燧鉄(うちがね)から散る火花のやうな飛沫を四方へ跳ねあげてゐる...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...風に向つて慨嘆するなんて、まるで自分の胸の中にかすむでゐる風に似た秘密を憂へるやうなものだが、あの自慢の長蛇船(ロング・サーペント)の舵は流され、櫂は折れ、旗じるしは千切れて漂流幾日よ、どこまで流れることよ、風よ、凪いでおくれよ、そして流れ着く島はどうぞスヰフトの小説に出て来るやうなラガドの市ではなくつて、やはりこの世の森蔭であつて呉れとばかりに僕は手を合せてカルデヤの星に野蕃な祈りをあげるのみだつた...
牧野信一 「「学生警鐘」と風」
......
三好達治 「測量船」
...あの櫂(かい)が与えるところの軽い動揺は...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...其前に垂れ槽の中で攪拌する櫂の樣な木をハナ起しといふなど...
柳田國男 「食料名彙」
...棹と櫂はすぐに持って来る...
山本周五郎 「青べか物語」
...正月元日、瑠璃色の海になびいた霞幕、その紫をすと分けて、金(きん)のお船に、玉の櫂、東の空に帆を揚げるめでたや、めでたや、おめでたや...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集拾遺」
...櫂を操(あやつ)ッて漕(こ)ぎだした...
吉川英治 「新・水滸伝」
...野太刀や櫂(かい)を振りかぶる小二...
吉川英治 「新・水滸伝」
...櫂なので握りも太い...
吉川英治 「随筆 宮本武蔵」
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