...我見(がけん)の櫂を折り...
石川啄木 「閑天地」
...櫂(かい)もなく艪(ろ)もなしに...
泉鏡花 「浮舟」
...前にわしはボートのうえに櫂もなければ...
海野十三 「幽霊船の秘密」
...何だかいやに御丁寧に縛ってあるようよ」男は櫂を離して...
江戸川乱歩 「悪魔の紋章」
...棹(さお)や櫂(かい)の乾くまもなもないほどおうかがわせ申しまして...
鈴木三重吉 「古事記物語」
...その傍には彩色を施した櫂(かい)らしきものの何本かが投げ棄てられてあるのが...
橘外男 「ウニデス潮流の彼方」
...危(あぶな)い場合に平衡を立て直して船を新たに躍進せしむる櫂(かい)の一撃であるところの...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...それで帆と櫂との軍艦が必要となった...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...借りたボオトの小舷(こべり)をば散々に破(こわ)してしまった上に櫂(かい)を一本折ってしまった...
永井荷風 「日和下駄」
...櫂(かい)を手にして...
中里介山 「大菩薩峠」
...何をあわてたか櫂(かい)を振上げましたが...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...――半助は櫂(かい)が自慢だろう...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...いま櫓櫂(ろかい)の音(おと)を絶え...
萩原朔太郎 「浮名」
...彼等は黒い哥薩克帽を片下りにかぶつて、櫂の先きで、燧鉄(うちがね)から散る火花のやうな飛沫を四方へ跳ねあげてゐる...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...櫂をあやつる人夫と背中あわせになり...
本庄陸男 「石狩川」
...またお手のものの櫓櫂(ろかい)をもって...
吉川英治 「新・水滸伝」
...船中で削って行った櫂(かい)の折れの木太刀というものが...
吉川英治 「随筆 宮本武蔵」
...櫂の木剣が、ぶんと上がったのである...
吉川英治 「宮本武蔵」
便利!手書き漢字入力検索