...女は日本橋檜物町の素人屋の二階を借りて棲んでゐる金貸しをしてゐる者の娘で神田の実業学校に通うてゐた...
田中貢太郎 「水郷異聞」
...彼はまた檜物町の女の棲んでゐると云ふ家の前を彼方此方してみたがそれでも女の姿を見ることは出来なかつた...
田中貢太郎 「水郷異聞」
...彼はまた檜物町の女の棲(す)んでいると云う家の前をあちらこちらしてみたが...
田中貢太郎 「水郷異聞」
...檜物町一帶うつかり歩けませんよ」「兎も角も...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...「檜物町の師匠のところへ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...檜物町へは四半刻(はんとき)ともかゝりません」それが...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...先月お前が代りに檜物町の用心棒をしたとき...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...檜物町の小夜菊の死んだのは...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...「待て/\俺は芝口からの歸り檜物町を覗いて見て...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...檜物町(ひものちょう)の...
長谷川時雨 「明治美人伝」
...檜物(ひもの)町...
柳宗悦 「地方の民藝」
...檜物(ひもの)に分れます...
柳宗悦 「手仕事の日本」
...日本橋檜物町(ひものちょう)の「さわ村」という櫛(くし)屋へ嫁にいった...
山本周五郎 「さぶ」
...「檜物町に会ったか」それまでの話がとぎれたとき...
山本周五郎 「ちゃん」
...これといってできることはなさそうだ」「それで檜物町と相談したんだ」「まあ待ってくれ」「いいからこっちの話を聞けよ」と新助が遮(さえぎ)って云った...
山本周五郎 「ちゃん」
...金六町も檜物町もめさきのきく人間だ...
山本周五郎 「ちゃん」
...檜物町や金六町はあのとおり立派にやっているし...
山本周五郎 「ちゃん」
...檜物町や金六町はそうなれる性分と才覚があったから成りあがったんでしょ、おまえさんにはそれがないんだからしようがないじゃないか」「だからよ、だからおれは」「なにがだからよ」とお直は云った、「お前さんの仕事が左前になって、その仕事のほかに手が出ないとすれば、あたしや子供たちがなんとかするのは当然じゃないの、楽させてやるからいる、苦労させるから出てゆく、そんな自分勝手なことがありますか」「おれは自分の勝手でこんなことを云ってるんじゃねえんだ」「じゃあ、誰のことを云ってるの、あたしたちがおまえさんの出てゆくのを喜ぶとでもいうのかい、おまえさん、そう思うのかい」お直はふるえる声を抑えて云った、「――二十日ばかりまえのことだけれど、檜物町がここへ来て、あたしに同じようなことを云ったわ、いまのようでは、うだつがあがらない、うちの仕事をするようにすすめてくれ、そうすればもうちっと暮しも楽になるからって」「やっぱり、檜物町が来たのか」「来たけれどおまえさんには云わなかったし、檜物町にも、あたしは仕事のことには口だしをしませんからって、そう断わっておきました」お直は怒ったような声で続けた、「――おまえさんがそんな仕事をする筈もなし、あたしたちだっておまえさんにいやな仕事をさせてまで、楽をしようとは思やしません、良は十四、おつぎは十三、あたしだってからだは丈夫なんだから、一家六人がそろっていればこそ、苦労のしがいもあるんじゃないの」「そいつも考えた、いちんち、ようく考えてみたんだ」と重吉は云った、「けれどもいけねえ、昨日お店で勘定を貰ってみてわかったが、勘定はこっちの積りの半分たらずで、これからは売れただけの分払いだという、つまりもうよしてくれというわけだ、これまでだって満足な稼ぎはせず、飲んだくれてばかりいたあげくに、見も知らねえ男を伴れこんで、ありもしねえ中から物を盗まれた、もうたくさんだ、自分で自分にあいそがつきた、おらあこのうちの厄病神だ、頼むから止めねえでくれ、おらあ、どうしてもここにはいられねえんだ」「そいつはいい考えだ」と云う声がした...
山本周五郎 「ちゃん」
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