...その機敏に捉へ得た所を文芸上の創作に活用しました...
芥川龍之介 「文芸鑑賞講座」
...葉子は機敏にちょっとゆるんだ倉地の手をすりぬけた...
有島武郎 「或る女」
...富美子の方は機敏に引ツ込んでしまつたが...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...やるものは充分機敏に早くやらなければならないこと...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...多少力を出して機敏に革舟を竜骨(キール)のところを下にして水面に浮べた...
スティーブンソン Stevenson Robert Louis 佐々木直次郎訳 「宝島」
...これを実行するには目先を利かせて機敏に...
相馬愛蔵 「私の小売商道」
...機敏にも大奮発して中央の目抜きの場所へ開業したため今は堂々たる歯科院長として...
相馬愛蔵 「私の小売商道」
...機敏に人を見透かしもするのであった...
徳田秋声 「仮装人物」
...猪野は小さい時分から、米の大問屋へ奉公にやられ、機敏に立ち働き、主人の信用を得ていたが、主人が亡くなり妻の代になってから、店を一手に切りまわしていたところから、今までの信用を逆に利用し、盛んに空取引(からとりひき)の手を拡(ひろ)めて、幾年かの間に大きな穴をあけ、さしも大身代の主家を破産の悲運に陥(おとしい)れたものであった...
徳田秋声 「縮図」
...霧社公学校長新原重志は機敏にも女子供約三十名を付近に在る自分の官舎に避難させると...
中村地平 「霧の蕃社」
...モオリーがおれの手鐙(てあぶみ)に足をかけて機敏に泥から抜けだしてさえくれれば...
久生十蘭 「南部の鼻曲り」
...機敏に、道具と、怪我人とを収容してしまうと、二隻の伝馬船は、インド丸の舷側を離れた...
火野葦平 「花と龍」
...中腰になっていたが、いつでも、機敏に、跳躍出来るように、全身をバネ仕掛けにした...
火野葦平 「花と龍」
...お咲は家のまはりを一とり機敏に逃げつたが...
室生犀星 「命」
...――彼女はそういう手段で幾度も幾度もやったが、だんだん機敏に、いきなり目的に向って、さきのような不必要な細心さや周到な注意を払うことがなかった...
室生犀星 「性に眼覚める頃」
...機敏に立ってきて...
吉川英治 「江戸三国志」
...よほど機敏に逃げたとみえ...
吉川英治 「三国志」
...機敏に縄をかけた...
吉田甲子太郎 「秋空晴れて」
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