...そのあるものは橙黄色の苔を蔽っているほか...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...待人はなか/\来ない、出たり入つたり、歩いたり佇んだり、さても待遠いことではある、待たれる身にはなつても待つ身にはなるなといふ、ほんに待つ身につらい落葉かなだ!もう諦めて、コツ/\柚子の皮を刻んでゐたら、さうらうとして樹明老がやつて来た、病気といふものはおそろしい、あれほど元気な君が二三日の間にすつかり憔悴してしまつてゐる、それでも約を履んで来てくれたとは――なぜ敬坊は来ないのか、すこし腹が立つた――ありがたい/\、うれしい/\、しかも、生きの飯鮹をさへ持つてきてくれたのだ、この鮹まさに千両!御馳走は何もない、橙湯をあげる、そして何かと話して、たそがれの草道で別れた、お互にたつしやでうまい酒をのむやうになりたい、至祷々々...
種田山頭火 「其中日記」
...支草居徃訪、すぐ退出、地橙孫居徃訪、不在...
種田山頭火 「其中日記」
...夕ばえの空は橙色(だいだいいろ)から緑に...
寺田寅彦 「旅日記から(明治四十二年)」
...他に五粒乾いた橙の種以外何もなくて...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 加藤朝鳥訳 「橙の種五粒」
...卓へ向いて五粒の干からびた橙の種をふるい落とした...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 加藤朝鳥訳 「橙の種五粒」
...」戸棚の橙を掴み上げると引き裂いて卓上に種を絞り出す...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 加藤朝鳥訳 「橙の種五粒」
...急に立ち上った焦茶(こげちゃ)の山脈のすり鉢の底につぶれた広島からなんという奔騰(ほんとう)!もりあがり逆巻きゆれかえしおし上り雲・雲・雲・赤・橙・紫・はるか天頂で真紅の噴火...
峠三吉 「原爆詩集」
...橙(だいだい)色や金縁や淡碧(うすみどり)に縁取られた重畳してる線で...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...前翅の先端が鮮かな橙黄に染まって印象的だ...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...橙色(だいだい)の弱い光が...
平林初之輔 「秘密」
...とにかくに状袋箱の上に並べられたる寒暖計と橙と地球儀と...
正岡子規 「墨汁一滴」
...そのきれいな野原(のはら)じゅうの青や橙(だいだい)や...
宮沢賢治 「銀河鉄道の夜」
...即ち一分三厘を溶かしてレモン油なら一滴橙皮油(とうひゆ)なら半滴を落して冷しておいてもようございます...
村井弦斎 「食道楽」
...橙(だいだい)をコウブツなどというのも...
柳田國男 「食料名彙」
...枝をしなわせた橙の実の触れあう青さが...
横光利一 「微笑」
...森の中にぼやッと橙色(だいだいいろ)の灯(ひ)がともっている窓がそれです...
吉川英治 「江戸三国志」
...それは橙(だいだい)であったり...
吉川英治 「宮本武蔵」
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