...彼女は橙色がかつた真紅の天鵞絨(ビロード)の袍を着てゐた...
テオフィル・ゴーチエ Theophile Gautier 芥川龍之介訳 「クラリモンド」
...夕映の空が底もなく黄橙色(だい/\いろ)に霞んだ...
石川啄木 「鳥影」
...橙実(だいだい)ほどの焼け土の一塊が...
井上円了 「おばけの正体」
...全体が赤橙(だいだい)色にぬられていて...
海野十三 「三十年後の世界」
...清三郎、禅寺洞、より江、久女、しづの女、泊月、王城、野風呂、橙黄子等...
高浜虚子 「五百句」
...香橙色(オレンジ)の真(ま)ん円(まる)な夕陽を...
谷譲次 「踊る地平線」
...其中庵へ行つた、屋根の茸替中だつた、見よ、其中庵はもう出来てゐるのだ、夏草も刈つてあつた、竹、黄橙、枇杷、密(マヽ)柑、柿、茶の木などが茂りふかく雨にしづもり立つてゐた...
種田山頭火 「行乞記」
...」戸棚の橙を掴み上げると引き裂いて卓上に種を絞り出す...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 加藤朝鳥訳 「橙の種五粒」
...薄い橙色に染まり...
中谷宇吉郎 「黒い月の世界」
...橙色(だいだいいろ)の燈のついた卓子には...
林芙美子 「浮雲」
...橙色(だいだいいろ)のカアテンの揺(ゆ)らいでいるのが見えた...
堀辰雄 「美しい村」
...全員庭園におりましたので」スペンサが橙色の封筒をわしづかみした...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「鉄面皮」
...遠いものは橙(だいだい)や黄いろではっきりし...
宮沢賢治 「銀河鉄道の夜」
...見えない天の川のまん中に青や橙や奇麗にかざられた十字架がまるで一本の木といふ風に川の中から立ってかゞやきその上には青じろい雲がまるい環になってかかってゐました...
宮沢賢治 「〔「銀河鉄道の夜」初期形一〕」
...新しい橙(だいだい)色の明りが立ちはじめた...
山本周五郎 「柳橋物語」
...枝をしなわせた橙の実の触れあう青さが...
横光利一 「微笑」
...「橙(たう)青き丘の別れや葛の花」梶(かじ)はすぐ初めの一句を手帖に書きつけた...
横光利一 「微笑」
...ぽッと春の灯が橙色(だいだいいろ)にともるころになりますと...
吉川英治 「江戸三国志」
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