...樺火は少し頽(すた)れた...
石川啄木 「鳥影」
...「何を獨り笑ひしてイるのです」と、千代子がやつて來てゐた、「また清水のことでも考へたんでしよう?」「下らないことアよせ――そんなことよりやア、もう、あの重吉が歸つて來さうなものだ、ね、樺太から...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...そして、事業の樺太も、千代子のとは別種だが、性質は同じやうな熱心と專念とに浮んだ自己その物の示現だらうと考へて、かの女には内證で、今年はまだあちらにゐるのだらうと思ふいとこの重吉に、直ぐ歸れといふ電報を出した...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...樺太はこの頃九時でなければ暗くならない...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...また、ところ/″\、唐もろこしの實を澤山軒に釣るした農家があるのは、樺太で云へば、漁師の戸外におほ蟹を繩で結はへて釣るす型を、北海道的百姓で行つたのだと考へたし、また、途中で葬式の行列に出會つては、自己を捨てて行く馬鹿者を送るその馬鹿者共もあると思つたが、皆が餘りしをらしい樣子をして行くので、横切るわけにも行かず、停立脱帽してその列を通した...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...そして、樺太以來、見聞と取り調べとを控へて來た手帳が段々餘地のなくなつて來たのをおぼえた...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...日本の樺太(からふと)や北海道よりもずっと北の方へひろがるだろうといってたぜ」「どうしてそんなところに戦争が起るんだい」と...
海野十三 「大空魔艦」
...野と丘と白樺の林と斑雪(まだらゆき)の長尺フィルムだった...
谷譲次 「踊る地平線」
...菩提樹(ぼだいじゅ)や白樺の老樹が霜で真っ白になった姿には...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「犬を連れた奥さん」
...落葉松、白樺、厚朴、かえでなどの代わりに赤松、黒松、榛(はん)、欅(けやき)、桐(きり)などが幅をきかしている...
寺田寅彦 「軽井沢」
...中には樺色の麁(あら)い毛糸の手袋をして...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...あたりには樺(かば)を伐(き)ったり焼いたりして...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...雷鳥沢を右に天狗原へ、雪は風にクラストして砂丘状に波打つところ、岳樺去って白檜、栂の梢わずかに点々...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
......
広海大治 「サガレンの浮浪者」
...ところどころに樺の矮樹が叢生して...
松濤明 「春の遠山入り」
...すぐ白樺を聯想(れんそう)するからである...
柳宗悦 「樺細工の道」
...だがこの樺細工が真に発達したのは印籠(いんろう)と胴乱(どうらん)とを作るようになって以後である...
柳宗悦 「樺細工の道」
...樺で出来ない部分または出来にくい部分を漆で補えば...
柳宗悦 「樺細工の道」
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