...一声(ひとこゑ)の江(え)に横たふや時鳥(ほととぎす)立石寺(りつしやくじ)(前書略)閑(しづか)さや岩にしみ入る蝉の声鳳来寺に参籠して木枯(こがらし)に岩吹とがる杉間(すぎま)かな是等の動詞の用法は海彼岸の文学の字眼(じがん)から学んだのではないであらうか? 字眼とは一字の工(こう)の為に一句を穎異(えいい)ならしめるものである...
芥川龍之介 「芭蕉雑記」
...枯蓮(かれはす)の池に横たふ暮色かな十二月十日 七宝会...
高浜虚子 「六百句」
...いざひとめぐりやすまんと木蔭に集(つど)ひ仰向きに身を横たふる荒男ども...
渡久山水鳴 「はめつ」
...まださくやらむと朝顔のあはれに小さくふゝみたる裏戸をあけていでゆく浴みして手拭ひゆる朝寒みまだ蕾なり其のあさがほは小さき蚊帳のうちに獨りさびしく身を横たふるは常のならはしにして...
長塚節 「長塚節歌集 下」
...吹飛ばす石は浅間の野分かな雲雀より上にやすらふ峠かな荒海や佐渡に横たふ天の川旅をしただけに芭蕉のこの句は...
長谷川伸 「カン」
...大海に縹の色の風の満ち佐渡長々と横たはるかな荒海や佐渡に横たふ天の川 がある以上その上に出来て居る作だと云はれても仕方がないが...
平野萬里 「晶子鑑賞」
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逸見猶吉 「逸見猶吉詩集」
...心頭先(ま)づ浮び来る者はあら海や佐渡(さど)に横たふ天の川 芭蕉真夜中やふりかはりたる天の川嵐雪(らんせつ)更(ふ)け行くや水田(みずた)の上の天の川惟然(いぜん)などなるべし...
正岡子規 「俳諧大要」
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與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
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