...まだ模糊とした蒸気に掩はれてゐる近所の建物よりは遥に高い家が一つ...
テオフィル・ゴーチエ Theophile Gautier 芥川龍之介訳 「クラリモンド」
...模糊としたものに包まれながら...
リットン・ストレチー Lytton Strachey 片岡鉄兵訳 「エリザベスとエセックス」
...鑿で木を刻んだのではこの隅々の模糊とした味いは出ず...
高村光太郎 「本邦肖像彫刻技法の推移」
...確かにここに文化の交替に似た或る模糊としたものがあって横たわっている...
戸坂潤 「友情に関係あるエッセイ」
...へんに曖昧模糊とした事柄ばかりです...
豊島与志雄 「白い朝」
...影絵のような模糊とした映像をしか止めていない...
豊島与志雄 「性格批判の問題」
...ずっと遙かな曖昧模糊とした所にあるのだ...
豊島与志雄 「道連」
...他は凡て模糊とした見えない世界に没してしまっていた...
豊島与志雄 「未来の天才」
...それにこの模糊とした空気のなかでは...
原民喜 「かげろふ断章」
...この画面の模糊とした灰白(かいはく)の部分は...
久生十蘭 「蝶の絵」
...模糊とした霧の渦の中で...
久生十蘭 「雪間」
...――そこで此詩中の image が大へん曖昧模糊としたものになつてきてゐるやうです...
堀辰雄 「心の仕事を」
...恋愛と友情との境にある模糊とした感情の霞がひかれていて...
宮本百合子 「異性の間の友情」
......
三好達治 「一點鐘」
便利!手書き漢字入力検索