...雨の如き花束は樓の上なる窓に向ひて飛びぬ...
ハンス・クリスチアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 森鴎外訳 「即興詩人」
...鳥嘴(てうし)の迦樓羅王(かろらわう)は變(へん)じてお伽噺(とぎばなし)の烏天狗(からすてんぐ)となつた...
伊東忠太 「妖怪研究」
......
伊良子清白 「孔雀船」
...義雄は鶴次郎に樺太から來た返事を見せ、渠から、木材をいよ/\切り出すとなつた時の用意などをその返事に照らして種々注意せられた後、氷峰と鶴次郎とを案内して、井桁樓へ行つた...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...そのうしろ樓門聳ゆ...
上田敏 上田敏訳 「海潮音」
...出帆の時刻は既にすぎたれども、今朝船にのるべき筈の豪客、昨夜船員を拉して、紅樓に醉倒して、未だ船に來らず...
大町桂月 「金華山」
...門に至りて、ほつと一と息つき、みな着物を着て、僧坊の傍らを過ぎて行けば、鐘樓あり...
大町桂月 「白河の七日」
...漫りに蜃氣樓をかまへ...
大町桂月 「宗吾靈堂」
...東京の市内ではどんな大厦高樓を見てもついぞ好ましいと思つた事はないが...
竹久夢二 「砂がき」
...他日歸りてわが故郷、又わが家妻、又わが屋、高き樓閣、此目もて親しく又も見なんとき、わが知らぬ人忽ちにわれの頭を斬り落せ、若し我れ弓を折り碎き炎々燃ゆる火の中に 215投ずることを爲さずんば――無效は風の如き弓...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...影縹緲の空遠くゆふべいざよふわが姿無心のあとは有(いふ)情の誰が高樓(かうろう)の眺めぞや珠簾かすかに洩れいでゝ咽ぶ妻琴ねも細く...
土井晩翠 「天地有情」
...岸に近きところ蘆荻の間に樓閣の聳るあり...
永井荷風 「荷風戰後日歴 第一」
...城樓から下の街々を眺めてゐると...
中島敦 「盈虚」
...中心の望樓に立つて眺望すれば...
萩原朔太郎 「宿命」
...其招牒の幟は風に篇翻と飄り兩岸の厦樓高閣は大江に臨み...
長谷川時雨 「花火と大川端」
...歴階して明遠樓上に登臨すれば...
原勝郎 「貢院の春」
...ふところ一杯に五色のテープを充滿して高樓の屋上から...
牧野信一 「緑の軍港」
...君を愛してゐる女の子がゐるのかね?」と彼は鐘樓の上から訊いた...
横光利一 「草の中」
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