...浴槽は二カ所、その一つは滝といって、大きさも普通の浴槽位なものだが、普通の方は、何間に何間か、測量もしなかったけれど、大した大きさで、それに量が豊富であり、驚く程清く澄んでいる...
石川欣一 「山を思う」
...そこそこに浴槽を出ると...
江戸川乱歩 「湖畔亭事件」
...それから浴槽の水をすて...
リチャード・オースティン・フリーマン Richard Austin Freeman 妹尾韶夫訳 「予謀殺人」
...僕は湯槽のお湯にひたりながら...
太宰治 「彼は昔の彼ならず」
...湯槽にからだを沈ませて...
太宰治 「断崖の錯覚」
...茫(ぼう)とした湯気の中に水槽(みずおけ)に落ちる水の音が聞こえた...
田山花袋 「田舎教師」
...湯の漲り溢れる温泉場の大理石の浴槽の中で...
田山録弥 「海をわたる」
......
峠三吉 「原爆詩集」
...ただ一人で広い湯槽(ゆぶね)の中につかっておりました...
中里介山 「大菩薩峠」
...飄然(ひょうぜん)として一夜を白槽(しらふね)の湯に明かし...
中里介山 「大菩薩峠」
...尤(もっと)も、ふだんでさえ冬は人の住まない土地ですから、行かないのはあたりまえですけれど、今度のお化け話はこの夏の終り頃からはじまりました」「そうですか、拙者は、ちょっと道に踏み迷うたという形で、あの温泉場へ参り、直(ただ)ちにこうして引上げて来たのですから、お化けにお目にかかる暇(ひま)が無かったものと思われます、もう少し逗留(とうりゅう)していたら、そのお化けが挨拶に来たかも知れません」兵馬が存外、あきたらず受け流すのを、一同がかえって興にのり、「左様でございますとも、長く御逗留なすっていると、そのお化けにひきこまれなすったかも知れませんが、早く引上げておいでなすったから、お化けも御挨拶を申し上げる暇がございませんで結構でした、後家さんや、浅公なんぞも、早く切上げて来れば何の事はなかったのに……」それから、一槽の者が、その飛騨(ひだ)の高山の淫乱後家なるものと、男妾の浅公なるものとについての噂を、蒸返し、蒸返し、それにまたまた尾ヒレがついて、この湯槽の中は、その風聞で持ちきりになりましたから、兵馬も思わず興味をもって、これに耳を傾けさせられています...
中里介山 「大菩薩峠」
...水槽の水が滿ちて更に川から手桶が運ばれた時おふさはバケツに雜巾を浸して水槽からさうしてそここゝを拭いて歩く...
長塚節 「おふさ」
...浴槽の女達の前へ片脚を入れた...
林芙美子 「浮雲」
...水を飲もうと炊事場の水槽(タンク)のあるほうへ行きかけ...
久生十蘭 「海豹島」
...越後地方では木を刳(えぐ)って作った塩槽の上に塩を叺(かます)のままで置き...
柳田國男 「食料名彙」
...中国風の浴槽(よくそう)だった...
吉川英治 「新書太閤記」
...一口でいえば硝子箱の浴槽を持った...
蘭郁二郎 「足の裏」
...湯槽(ゆぶね)の縁に頭を載せてゐると...
若山牧水 「熊野奈智山」
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